2019年10月26日から2020年2月9日まで、レンヌ美術館でDenis Lagetの展示会が行われていました。
世界的にある程度名は通っているようですが、どちらかと言うと、これから評価が上がっていく現代の画家の一人と言われています。
それでは早速、作品をご紹介させて頂きます。
Denis Laget
略歴と作風
ラジェは1958年にフランス東部のヴァランスで生まれ、1980年よりグループ展に参加。1981年より個展を開催。1989年から1990年にかけてローマのヴィラ・メディチに滞在するなど、国際的な活動を行ってきました。作品のテーマは、自画像や静物画、風景画など古典的なものが多く、それらを画家の心にある潜在的なイメージを通して表現していると言われています。
彼の作品は、以下の点が特徴です。
- 激しい筆致と厚塗り: 絵の具をカンヴァスに叩きつけるような、激しく力強い筆の動きが特徴です。これにより、絵の具の物質感が強調され、作品全体が力強い生命感に満ちています。
- 鮮烈な色彩と光の表現: 彼の作品では、色彩が非常に鮮やかに、そして大胆に用いられます。光と影の対比が際立ち、描かれたモチーフを非現実的で幻想的な存在へと昇華させています。
- 具象と抽象の融合: 描かれた対象は認識できるものの、その形態はしばしば歪められ、色彩の塊や筆の跡へと分解されます。この手法により、彼は、モチーフそのものの描写から一歩踏み込み、絵画の純粋な表現力を追求しています。
テーマ
ラジェは、絵画を通して「存在」という普遍的なテーマを探求しています。彼の作品に繰り返し現れるモチーフ(レモン、頭蓋骨、魚など)は、生と死、豊かさと虚しさ、時間といった哲学的概念の象徴として機能しています。
Œuvres 作品

Autoportrait (1985)
Autoportrait (自画像)は、ラジェのキャリア初期の重要な作品であり、彼が「自画像」という伝統的な主題を通して、絵画の物質性や内面的な葛藤を表現しようとしたものです。しかし、この作品は、写実的に自己の姿を描いたものではなく、色彩と筆致が持つ純粋な力によって、作者の存在を表現しようと試みています。

Iris (1986)
Iris (イリス)は、ラジェがキャリアを通じて追究した、伝統的な静物画の主題を、独自の表現主義的なスタイルで再解釈したものです。「イリス」(アヤメ)というタイトルが示すように、花をモチーフにしていますが、それは写実的に描かれた美しい花ではありません。

paysage urbain ou sans titre

La Colonne de fer (1997)

Sans titre (2010)

Sans titre (2010)

Sans titre (Grand paysage) (2010)

Sans titre série <Soleils noirs> (2007)

Sans titre (200) , Sans titre (2003) , Sans titre (2000) 左から

Sans titre (2004)

Sans titre (2012)

Sans titre (2002)

Jules II (2008-09)

Michel Ange (2008-09)

Sans titre (1992)

Sans titre (1987)

Sans titre (1990)

Sans titre (1990)

Vigile (1986)

Sans titre (2010)

Sans titre (2015)

Sans titre (2015)

Sans titre (1998)

Feuilles de figuier (2018)

Sans titre (1990)
まとめ
いかがでしたか。
作品は抽象的なものになり、全く分からないような作品もありますが、扱うテーマが分かりやすいものが多いので、何となくイメージが伝わってくると思います。
抽象画の好みは人それぞれですので、もし気になる作品があるようでしたら、頭の片隅に覚えておいてください。
今後、世界中の近現代美術館に作品が展示されることになるかもしれないので、見かけた時は思い出して頂けると幸いです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
なお、レンヌ美術館の詳細、他のコレクションについてはこちらで詳しくご紹介させて頂いております。
合わせてご覧になってみてください。





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