今回は、Early Renaissance(初期ルネサンス)期、イタリアを中心とする人物相関図をご紹介させて頂きます。
この時期の画家の作品は、ルネサンス期の作品を展示している美術館であれば、必ず展示されています。
ぜひ人物相関図を参照して、鑑賞してみてください。
初期ルネサンス
初期ルネサンスとは、およそ1400年~1495年頃までのことを言います。
この時期は、絵画に関する様々な技術革新があった時期になります。
技術革新
フィリッポ・ブルネレスキによる、透視図法の完成は、ルネサンス最大の発明とも言われています。
1427年には、マサッチオが、透視図法のフレスコ画を初めて製作しました。
また、初期フランドルになりますが、ヤン・ファン・エイクによる油彩技術の確立も大きな功績です。
1460年~1470年頃、ヴェネツィアで帆布を利用したキャンパスが作成されます。
1480年代以降、ダヴィンチなどにより、人体解剖が行わるようになりました。
1480年代以降、キリスト教以外の作品、それまでは禁じられていたとされる、ギリシャ神話などからの題材が描かれるようになりました。
パトロンの登場
北イタリアを中心に、多くの裕福な一族が誕生しました。
フィレンツェのメディチ家を筆頭に、ミラノ、フェッラーラなどの一族が、画家のパトロンとして活動するようになります。
それまでは、教会や王族からの支援が、画家たちの主な収入だったことを考えると、とても大きな変革です。
代表画家
フィリッポ・ブルネレスキ(Filippo Brunelleschi 1377 – 1446)
ロレンツォ・ギベルティ(Lorenzo Ghiberti 1381 – 1455)
ドナテッロ( Donatello、 1386 – 1466)
パオロ・ウッチェロ(Paolo Uccello, 1397-1475)
マソリーノ(Masolino da Panicale, 1383-1440頃)
マサッチオ (Masaccio, 1401-1428)
フィリッポ・リッピ(Fra Filippo Lippi,1406-1469)
アンドレア・デル・カスターニョ(Andrea del Castagno, 1420-1457)
アントニオ・デル・ポッライオーロ(Antonio del Pollaiolo, 1429-1498)
アンドレア・デル・ヴェロッキオ(Andrea del Verrocchio、1435-1488)
ピエロ ポッライオーロ(Piero Pollaiuolo 1441-1496)
サンドロ・ボッティチェッリ(Sandro Botticelli, 1445-1510)
ロレンツォ・ディ・クレディ(Lorenzo di Credi, 1459-1537)
ピエトロ・ペルジーノ(Perugino、1448-1523)
フィリッピーノ・リッピ(Filippino Lippi,1457-1504)
レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci、1452-1519)
ミケランジェロ・ブオナローティ(Michelangelo Buonarroti Simoni、1475-1564)
ラファエロ・サンティ(Raffaello Santi、 1483-1520)
国際ゴシック様式の流れ
ドメニコ・ヴェネツィアーノ(Domenico Veneziano 1410-1461)
ピエロ・デラ・フランチェスカ(Piero della Francesca, 1412-1492)
ジョヴァンニ・サンティ(Giovanni Santi 1435–1494)
アントニアッツォ・ロマーノ(Antoniazzo Romano, 1430頃-1510頃)
メロッツォ・ダ・フォルリ(Melozzo da Forlì, 1438頃-1494)
ギルランダイオ工房
ドメニコ・ギルランダイオ(Domenico Ghirlandaio、1449-1494)
ダヴィデ・ギルランダイオ(Davide Ghirlandaio, 1452-1525)
ベネデット・ギルランダイオ(Benedetto Ghirlandaio, 1458-1497)
リドルフォ・ギルランダイオ(Ridolfo Ghirlandaio, 1483-1561)
ヴェネツィア派(盛期ルネサンスを含む)
ヤーコポ・ベッリーニ(Jacopo Bellini、1400-1470)
ジェンティーレ・ベッリーニ(Gentile Bellini, 1429-1507)
ジョヴァンニ・ベッリーニ (Giovanni Bellini, 1430-1516)
ジョルジョーネ(Giorgione 1477/1478-1510)
ロレンツォ・ロット(Lorenzo Lotto、1480-1556/1557)
ティツィアーノ(Titian 1488/1490-1576)
セバスティアーノ・デル・ピオンボ(Sebastiano del Piombo, 1485-1547)
アンドレア・マンテーニャ(Andrea Mantegna, 1431-1506)
リベラーレ・ダ・ヴェローナ(Liberale da Verona, 1441–1526)
ジョバンニ・フランチェスコ・カロト(Giovanni Francesco Caroto, 1480-1555)
パオロ・ヴェロネーゼ(Paolo Veronese, 1528-1588)
アントネロ・ダ・メッシーナ(Antonello da Messina, 1430-1479)
パドヴァ派
フランチェスコ・スクァルチォーネ(Francesco Squarcione, 1397-1468年)
コズメ・トゥーラ(Cosmè Tura, 1430-1495)
フランチェスコ・デル・コッサ(Francesco del Cossa, 1430-1477)
エルコレ・デ・ロベルティ(Ercole de’ Roberti, 1451頃-1496)
ドイツの画家
ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach the Elder, 1472-1553)
ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach the Younger, 1515-1586)
※ 分類が違う場合もあります。
前期ルネサンス、盛期ルネサンスの画家が含まれている場合もあります。
カタカナ表記に関して実際の発音と異なる場合もあります。
人物相関図
フィレンツェ等
ヴェネツィア・パドヴァ
★ご利用の注意点★
上の代表画家の相関図です。
青い矢印は師弟関係を表していますが、実際はその関係がはっきりしていなかったり、ワークショップで働いたことがあるだけであったりします。
情報は英語版、フランス語版ウィキペディアを参考に製作しています。
まとめ
いかがでしたか。
すでにご存知の画家も多数いたのではないでしょうか。
初期ルネサンスは、技術の発展に伴い、とても素晴らしい作品が多数制作されました。
フィレンツェを中心として花開いたルネサンスも、最大のパトロン、「ロレンツォ・デ・メディチ(Lorenzo de’ Medici ,1449-1492)」の死と、1494年の第1次イタリア戦争の影響により衰退し、中心地はローマへと移っていきます。
そしてこの時代を引き継ぐのが、ルネサンスの理想美を完成させる、盛期ルネサンスの3大巨匠である、「ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ」になります。
次回はこの3大巨匠が中心となる、「盛期ルネサンス」についてご紹介させて頂きます。
Proto-Renaissance(前期ルネサンス)については以下の記事をご参照ください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
西洋美術史の全体像は年表でご紹介させて頂いております。
合わせてご覧頂くと時代の流れが理解しやすくなると思います。
コメント