今回はイタリア、ロココをご紹介させて頂きます。
18世紀のイタリアは、バロック期に比べるとかなり元気がなくなってしまっていて、すでに芸術の中心がフランスなどへ移ってしまっていることを感じさせられます。
バロックまではイタリアがヨーロッパ各地に絵画のスタイルを輸出していましたが、ロココ期以降は、イタリアが影響を受ける立場に変わってしまいました。
そんなイタリア絵画史の転換期でもあるロココ期について、早速詳しく見て行きましょう。
イタリア・ロココの特徴
イタリアのロココは、ヴェネツィア、ジェノヴァ、ローマが中心地となっていました。
バロックの影響も残っていて、イタリア全土に広がったという感じではありませんでした。
作品は景観や自然をテーマにしたものが多く製作されています。
ロココについて詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
年表
1701年~1714年、スペイン継承戦争
1718年~1720年、四国同盟戦争
1734年、ビトントの戦い
1796年、ナポレオン1世イタリアに侵入。
1797年~1802年、ナポレオンにより、チザルピーナ共和国が設立される。
代表画家
ヴェネツィア
フランチェスコ・ルスキ(Francesco Ruschi, 1610-1661)
アントニオ・ザンキ(Antonio Zanchi, 1631-1722)
アントニオ・モリナーリ(Antonio Molinari, 1655-1704)
ジョバンニ・バティスタ・ピアツェッタ(Giovanni Battista Piazzetta, 1682-1754)
ヤコポ・アミゴーニ(Jacopo Amigoni, 1682-1752)
フェデリコ・チェヴェリ(Federico Cervelli, 1625-1700)
セバスティアーノ・リッチ(Sebastiano Ricci, 1659-1734)
フランチェスコ・フォンテバッソ(Francesco Fontebasso, 1707-1769)
ジョバンニ・アントニオ・ペレグリーニ(Giovanni Antonio Pellegrini, 1675-1741)
カナレット(Giovanni Antonio Canal, 1697-1768)
ベルナルドベロット(Bernardo Bellotto, 1721-1780)
ジョバンニ・バティスタ・ティエポロ(Giovanni Battista Tiepolo, 1696-1770)
フランチェスコ・グアルディ(Francesco Guardi, 1712-1793)
ジョバンニ・ドメニコ・ティエポロ(Giovanni Domenico Tiepolo, 1727-1804)
ジョバンニ・バッティスタ・ピトーニ(Giovanni Battista Pittoni, 1687-1767)
アントニオ・ベルッチ(Antonio Bellucci, 1654-1726)
ジョバンニ・スカハリオ(Giovanni Scajario, 1726-1792)
ジェノヴァ
ドメニコ・フィアセラ(Domenico Fiasella, 1589-1669) バロック
ヴァレリオ・カステッロ(Valerio Castello, 1624-1659) バロック
アレッサンドロ・マグナスコ(Alessandro Magnasco, 1667-1749)
その他
ヴィンチェンツォ・ダンディーニ(Vincenzo Dandini, 1607-1675) バロック
アントン・ドメニコ・ガビアーニ(Anton Domenico Gabbiani, 1652-1726) バロック
ピア・ダンディーニ(Pier Dandini, 1646-1712) バロック
ベネデット・ルティ(Benedetto Luti, 1666-1724) バロック
フィリッポ・マリア・ガレッティ(Filippo Maria Galletti, 1636-1714)
ミケーレ・ロッカ(Michele Rocca, 1671-1751)
プラシド・コスタンツィ(Placido Costanzi, 1702-1759)
ジョバンニ・パオロ・パニーニ(Giovanni Paolo Panini, 1691-1765)
アントニオ・バレストラ(Antonio Balestra, 1666-1740)
ピエトロ・ロタリ(Pietro Rotari, 1707-1762)
ピエトロ・ロンギ(Pietro Longhi, 1702-1785)
アンドレア・ロカテリ(Andrea Locatelli, 1695-1741)
ピア・レオーネ・ゲッツィ(Pier Leone Ghezzi, 1674-1755)
フランチェスコ・ソリメーナ(Francesco Solimena, 1657-1747)
セバスティアーノコンカ(Sebastiano Conca, 1680-1764)
アンドレア・カザーリ(Andrea Casali, 1705-1784)
コラード・ジャキント(Corrado Giaquinto, 1703-1766)
アゴスティーノマスクッチ(Agostino Masucci, 1691-1758)
ゲーヴィン・ハミルトン(Gavin Hamilton, 1723-1798)
ポンピオ・バトーニ(Pompeo Batoni, 1708-1787)
フランチェスコ・マジョット(Francesco Maggiotto, 1738-1805) 新古典主義
テオドロ・マッテイニ(Teodoro Matteini, 1753-1831) 新古典主義
フランチェスコ・アイエツ(Francesco Hayez, 1791-1882) ロマン主義
※ 分類が違う場合もあります。
ロココ以外の画家が多く含まれています。
カタカナ表記に関して実際の発音と異なる場合もあります。
人物相関図
★ご利用の注意点★
上の代表画家の相関図です。
青い矢印は師弟関係を表していますが、実際はその関係がはっきりしていなかったり、ワークショップで働いたことがあるだけであったりします。
情報は英語版、フランス語版ウィキペディアを参考に製作しています。
まとめ
いかがでしたか。
かなり多くの画家を紹介させて頂きましたが、絵画に詳しい方以外は、あまり馴染みのない画家が多かったのではないでしょうか。
ロココ期はやはりフランスの画家が中心になってしまうので、仕方ないのですが、この時期のイタリアの画家たちも沢山の素晴らしい作品を残しています。
これらの画家の作品を見るには、やはりイタリアを訪れる必要があると思いますので、ぜひご旅行の際は、各地の美術館や教会を訪れてみてくださいね。
イタリア・ロココまでの流れは以下になります。
- 前期ルネサンス:何故ルネサンスは起こったのか?
- 初期ルネサンス:多くの技術革新
- 盛期ルネサンス:ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロによる完成形
- マニエリスム:新たな世界観への挑戦
- バロック・イタリア:劇的なシーンの登場
フランス・ロココは以下になります。
合わせてご参照ください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
西洋美術史の全体像は年表でご紹介させて頂いております。
合わせてご覧頂くと時代の流れが理解しやすくなると思います。
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