今回は、「パリからスイスへ移動する際の免税手続き(デタックス)」についてご紹介させて頂きます。
スイスはEU加盟国ではないため、入国する前に免税手続きを行う必要があります。
飛行機を利用してスイスに移動する場合は良いのですが、鉄道を利用してスイスに移動すると免税手続きが難しくなります。
では一体どのような手続きを行えば良いのか、早速ご紹介させて頂きます。
2021年1月より、免税を受けることが出来る購入金額が「100€以上」に変更されました。
それまでは「175€」だったので大幅に要件が緩和されています。
フランスでの免税手続き
免税を受けられる条件
- EU圏非居住者
- 16歳以上
- 滞在期間が6ヶ月未満
- 一つの店舗での購入金額が100€以上
免税手続き
シャルル・ド・ゴール空港から帰国する場合は、「PABLO」(免税通関システム)を使用して簡単に手続きを行うことが出来ます。
「PABLO」を使って免税手続きを行うことが出来るのは、フランス国内で購入した商品に限ります。
EU内のその他の国で購入した商品については、税関職員の確認印を受ける必要があります。
スイスを経由して日本に帰国する場合
フランスからスイスを経由して日本に帰国する場合は、免税手続きが少し複雑になります。
特に鉄道を利用してスイスに入国し、日本に帰国する場合は注意が必要です。
パリからスイスへ移動して、さらにもう一度EU圏内の国へ移動する場合は、最終の出国地で免税手続きを行います。
例えば、パリ→スイス→ドイツ、パリ→スイス→イタリアなどの場合です。
パリからスイスへ飛行機で移動する場合
パリからスイスへ飛行機を使用する場合は、シャルル・ド・ゴール空港、オルリー空港共に、免税申請窓口、またはPabloが設置されていますので、そちらをご利用ください。
パリからスイスへ鉄道で移動する場合
パリからスイスへ鉄道で移動する場合、主にTGVを利用することになりますが、パリでの発着駅は、パリ東駅、またはリヨン駅になります。
以下、スイスの主要駅への経路になります。
出発駅 | 到着駅 | 経路 |
---|---|---|
パリ東駅 | ベルン駅 | ストラスブール駅 → バーゼル駅 → ベルン駅 |
ルツェルン駅 | ストラスブール駅 → バーゼル駅 → ルツェルン駅 | |
チューリッヒ駅 | ストラスブール駅 → バーゼル駅 → チューリッヒ駅 | |
パリ・リヨン駅 | ベルン駅 | 直通 |
ジュネーブ駅 | 直通 | |
ローザンヌ駅 | 直通(又はジュネーブ経由) | |
ルツェルン駅 | バーゼル駅 → ルツェルン駅 | |
チューリッヒ駅 | 直通 |
代表的な経路のみご紹介させて頂いております。
TGVの車内で確認印を受ける
鉄道を利用して、スイスへ移動する場合は、スイス入国前に免税手続きを行う必要があります。
TGVの車内に、税関職員が乗車していれば、免税書類に確認印を押してもらい、到着駅で書類を専用のポストに投函します。
ただし、車内で税関職員を見つけることが難しい場合がありますので、車掌が検札に来る時に税関職員がどこにいるのか確認しておくことをお勧めします。
運悪く、税関職員が見つけられない場合や、乗車していない場合などは免税を受けることが出来ない可能性がありますので、ご注意ください。
バーゼル駅で免税手続きを行う
バーゼル駅には免税事務所がありますので、バーゼル駅を利用される予定のある方は、こちらで手続きを行うことが出来ます。
目的地によっては、バーゼル駅を経由して向かうことが出来ますが、SNCFの予約サイトを利用すると最短の列車が表示されます。
この場合だと、最長でも乗り換え時の時間が25分程度しかありませんので、免税手続きを行うには時間が足りない可能性があります。
確実に免税手続きを行うには、パリからバーゼル駅までのチケットと、バーゼル駅から目的地までのチケットを分けて購入するのが良いと思います。
スイス入国時の注意点
フランス滞在中に高額な商品を購入してスイスに持ち込むと、課税の対象になります。
ワインなどのアルコール製品を購入している場合も注意が必要です。
非課税でスイスに持ち込むことが出来るものは、CHF300までとなっています。
(300€と思ってください。)
日本からの旅行者であることや、ヨーロッパ内の移動であることは関係ありませんのでご注意ください。
スイスに免税で持ち込める範囲
携行品
洗面用具、洋服、本、カメラ、コンピュータなどの使用済みの私物で旅行中に使用して、日本にそのまま持ち帰るもの。
食料品
1日に消費するとみなされる量。
タバコ
紙巻タバコ200本、葉巻50本、刻みタバコ250gまでのいずれか1種類は無税。
17歳未満の人はタバコは持ち込むことができません。
酒 類
アルコール分15%以上は1リットル、15%未満は2リットル。
17歳未満の人はアルコールは持ち込むことができません。
その他
上記以外の品物は合計金額がCHF 300まで。
その他詳しい要件は以下のサイトをご参照ください。
出典:スイス税関・旅の基本情報
まとめ
いかがでしたか。
パリから鉄道を利用してスイスに移動すると免税手続きがとても面倒です。
最悪の場合は、免税手続きが出来ないと思って行動するのが良いと思います。
なお、フランスの店舗によっては、その場で現金を還付してくれる場合があります。
(クレジットカードに還付する金額よりも低くなりますが)
この場合であっても免税手続きは必要です。
もし免税手続きをせずに、そのままでいると、後で登録したクレジットカードに割り増し金が追加された金額が請求されますのでご注意ください。
最後になりますが、免税を受ける最善の方法は、「スイスから帰国しない」ことです。
特にフランスでラグジュアリーブランドなどの高額品を購入される予定のある方は、最初にスイスに入国して、パリから帰国する旅程を組むことを強くお勧めします。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
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