ポンピドゥー・センター コレクション シュプレマティスム デ・ステイル 形而上絵画

ポンピドゥー・センター コレクション マレーヴィチ モンドリアン キリコ パリ
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今回ご紹介させて頂くのは、「シュプレマティスム」と「デ・ステイル」そして「形而上絵画」になります。

シュプレマティスムは、マレーヴィチを中心とした芸術運動であり、抽象性を徹底した運動になります。

同時期に起こっていて「ロシア構成主義」や「バウハウス」などに大きな影響を与えています。

デ・ステイルは、モンドリアンを中心とした芸術運動で、オランダで発祥しました。

モンドリアンの提唱した「新造形主義」が活動の中心になりますが、モンドリアン自身は1925年に脱退してしまいます。

形而上絵画は、キリコが中心となって提唱された、「見ることの出来ないものを描く」イタリアのスタイルです。

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Suprématisme シュプレマティスム

Kasimir Malévitch (1879-1935)

Kasimir Malévitch (1879-1935)
Croix [noire] (1915)

Croix [noire] (1915)

ピカソなどの強い影響を受けたマレーヴィチは、「シュプレマティスム(絶対主義)」という、抽象絵画の到達点に達したと評価されています。

作品は白い背景に描かれた「黒い十字架」の輪郭をわずかに歪ませることで緊張を和わらげています。

Kasimir Malévitch (1879-1935)
Carré noir (1923-1930)

Carré noir (1923-1930)

マレーヴィチにとって黒い正方形は、絶対的な記号であり、無限の空間を表すものになります。

Kasimir Malévitch (1879-1935)
Croix noire (1923-26)

Croix noire (1923-26)

黒い正方形から、十字架と円が生まれています。

Kasimir Malévitch (1879-1935)
[Sensation du danger] (1930-31)

[Sensation du danger] (1930-31)

スターリン主義を象徴する窓のない2つの家から逃走している人物を描いています。

血の付いた剣は、芸術家だけでなく、一般の農民にまで向けられていることを表しています。

当時の政権に対する強い避難を描いています。

Kasimir Malévitch (1879-1935)
[Le Cheval blanc] (1930-31)

[Le Cheval blanc] (1930-31)

スターリン主義への避難を込めて描いています。

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De Stijl デ・ステイル

Piet Mondrian (1872-1944)

Piet Mondrian (1872-1944)
Composition en rouge, bleu et blanc II (1937)

Composition en rouge, bleu et blanc II (1937)

キュビスムの影響を受けながらも、「その先」を目指したピート・モンドリアン。

「新造形主義」を提唱し、デ・ステイル (De Stijl)を経て、極限まで幾何学化・単純化された、黒い上下左右の直線と、その線に囲まれた様々な大きさの四角形の色面から構成されるようになりました。

色の種類も青・赤・黄の三色に限定されるようになっていきます。

Piet Mondrian (1872-1944)
New York City (1942)

New York City (1942)

黒いグリッドを赤、青、黄色に置き換え、ニューヨークの活気さを表しています。

Theo Van Doesburg (1883-1931)

Theo Van Doesburg (1883-1931)
Composition X (1918)

Composition X (1918)

デ・ステイル (De Stijl)の創設者の一人でもある、テオ・ファン・ドゥースブルフ。

作品は、妻の肖像画からインスピレーションを得て描かれたものと言われています。

Theo Van Doesburg (1883-1931)
Peinture pure (1920)

Peinture pure (1920)

ドゥースブルフは「中心点が絵の外側にある完全に平面的な構図」を描いたとしています。

Georges Vantongerloo (1886-1965)

Georges Vantongerloo (1886-1965)
Composition (1917-18)

Composition (1917-18)

デ・ステイル (De Stijl)の創業メンバーの一人であるジョルジュ・ヴァントンゲルロー。

作品は新造形主義の特徴である、水平-垂直構造と中間色の背景に、原色の平面を描くことにより、バランスのとれたダイナミックな構図を生み出しています。

Friedrich Vordemberge-Gildewart (1889-1962)

Friedrich Vordemberge-Gildewart (1889-1962)
Composition n° 24 (1926)

Composition n° 24 (1926)

ドイツの画家であり、デ・ステイル (De Stijl) 新造形主義のメンバーとして知られています。

1923年からは、レリーフの要素を統合した幾何学的な絵画を描くようになりました。

César Domela (1900-1992)

César Domela (1900-1992)
Composition néo-plastique n° 5 L (1926-27)

Composition néo-plastique n° 5 L (1926-27)

デ・ステイル (De Stijl)の主要メンバーであった、セザール・ドメラ。

画家、彫刻家、写真家としてマルチな活動をしていました。

作品を斜めにすることにより、作品に力強さや広がりを与えています。

César Domela (1900-1992)
Relief n° 20 A - Sonorité (1946-47)

Relief n° 20 A – Sonorité (1946-47)

1929年から様々な素材を使うようになりました。

この作品では、白い三角形と黒い円のような形が対峙し、真鍮が全体を結びつけいています。

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Peinture métaphysique 形而上絵画

Giorgio De Chirico (1888-1978)

Giorgio De Chirico (1888-1978)
Il Ritornante (1917-18)

Il Ritornante (1917-18)

イタリアの画家であるキリコは、形而上絵画を立ち上げ、のちのシュルレアリストたちに大きな影響を与えました。

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まとめ

マレーヴィチ、モンドリアン、キリコの3人を中心にご紹介させて頂きました。

それぞれの運動は単独としては大きな広がりになりませんでしたが、次の次代の芸術運動である「シュルレアリスム」や「ダダイズム」に大きな影響を及ぼしていきます。

今回も最後までお読み頂きありがとうございました。

ポンピドゥー・センターの他のコレクションは以下の記事でご紹介させて頂いております。

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