リヨンの街には、本当に沢山の「だまし絵」が描かれています。
日本語ではだまし絵と表現した方が分かりやすいのですが、フランス語的には「Fresque」と表現されているものがほとんどで、実際には、壁画、フレスコ画、と言った意味になると思います。
だまし絵はリヨン市内、郊外を含めると、ゆうに100を超える数があると言われています。
もちろん全部見てまわることは不可能なので、今回はリヨンに来たら絶対見るべき3つのだまし絵をご紹介させて頂きます。
なお、だまし絵を見てまわる行き方、お勧めのルートはこちらで詳しくご紹介させて頂いております。
合わせてご覧になってみてください。
Fresque des Lyonnais
住所:2 Rue de la Martinière, 69001 Lyon, フランス
ソーヌ川のほとりに立つこのだまし絵は、リヨンで最も有名なものの一つです。
観光の時間が限られていて、他のだまし絵を見てまわれない方には、ここだけは立ち寄るようにしましょう。
場所も、ソーヌ川沿いで観光ルートに組み込みやすいと思います。
壁には、リヨンの有名人、30人が描かれています。
この作品は、1992年に当時のリヨン市長が、スペイン、バルセロナで描かれた“Fresque des balcons de Barcelone” に触発されて、アーティストの協同組合に対して同様のものをリヨン市にも作るよう依頼したことから始まります。
もちろん、有名人以外も描かれていて、パッと見た感じは、かなり本物に近い感じがします。
1階は非常に良く描かれていて、かなりリアルな感じがします。
遠目に見ると人が歩いているように感じます。
リヨンの超有名人、ポールボキューズ氏が出迎えてくれます。
建物の裏側にもさりげなく描かれています。
かえってこんな感じで描かれると、さらにリアルさが増しますね。
壁に描かれている30人
Fresque des Lyonnaisに描かれている有名人、30人のリストになります。
ほとんどがリヨンで生誕された方たちです。
実際に現地で照らし合わせながら鑑賞すると、楽しさが倍増します。
写真の番号と表の番号で確認してください。
フレスコ画 | 番号 人物 |
---|---|
1 Saint Irénée 2世頃のリヨンの司教。初期のフランス、キリスト教の聖人。 | |
2 Sainte Blandine リヨンの守護聖人です。 | |
3 Louise Labé (1525-1566) ルネサンス時代にリヨンで活動した詩人。 かなり裕福であったようです。 | |
4 Maurice Scève (1500-1564) ルネサンス時代にリヨンで活動した詩人。 1544年に出版された、Délie は彼の代表的な作品です。 | |
5 Juliette Récamier (1777-1849) 19世紀、フランス文学、芸術、政治サロンの中心であった女性。 世界の歴史の中で、最も美しいと言われる女性の一人。 | |
6 Claude Bourgelat (1712-1779) 獣医学の創始者と言われています。 | |
7 Pauline Jaricot (1799-1862) 8 Claudine Thévenet (1774-1837) キリスト教のために多大な貢献をした2人。 | |
9 Claude (empereur romain) (BC10-AD54) ローマ帝国第4代の皇帝。 リヨンで生まれています。 | |
10 Claude Martin (1735-1800) 冒険家であり、東インド会社の将校でもあった。 カルカッタ、ラクナウ、リヨンの3つの学校の創設者でもあります。 | |
11 Jean-Baptiste Say (1767-1832) フランスの経済学者、実業家。 「セイの法則」を生み出したことでも有名です。 | |
12 André-Marie Ampère (1775-1836) フランスの物理学者。 アンペールの法則を発見した。 | |
13 Laurent Mourguet (1769-1844) 操り人形師。 ギニョールの生みの親です。 | |
14 Antoine de Saint-Exupéry (1900-1944) 作家、パイロット。 「星の王子様」はあまりにも有名であり、一緒に描かれています。 | |
15 Pierre Puvis de Chavannes (1824-1898) 画家。 ピカソを始めとする多くの画家に影響を与えた人物。 | |
16 Giovanni da Verrazzano (1485-1528) 冒険家。 アメリカとカナダの大西洋岸を探索した最初のヨーロッパ人と言われています。 | |
17 Antoine de Jussieu (1748-1836) 植物学者。 植物の分類に関する著書「植物の属」は現在の植物の分類に多大な影響を与えている。 | |
18 Famille Mérieux フランス企業家の一族です。 | |
19 Claude Bernard (1813-1878) フランス生理学者。 | |
20 Édouard Herriot (1872-1957) 政治家 21 Tony Garnier (1869-1948) 都市計画、建築家。 | |
22 Auguste et Louis Lumière リュミエール兄弟。 映画の父と言われる、映画発明者。 | |
23 Joseph Marie Jacquard (1752-1834) 発明家。ジャガード織機を開発。24 Philippe de la Salle (1723-1804) デザイナー。 シルク織物の制作で有名です。 | |
25 Bernard Pivot (1935- ) ジャーナリスト、テレビ番組のホスト。 | |
26 Abbé Pierre (1912-2007) カトリックの司祭。 恵まれない多くの人々を助けた。 27 Bernard Lacombe (1952- ) サッカー選手。リーグアンで255ゴールを記録。 | |
28 Paul Bocuse (1926-2018) 3つ星レストランのオーナシェフ。 29 Frédéric Dard (1921-2000) 犯罪作家。 | |
30 Bertrand Tavernier (1941- ) 映画監督。 |
Fresque La bibliothèque de la cité
住所:6 Rue de la Platière, 69001 Lyon, フランス
1998年に製作された作品です。
500近くの文献から引用、抜粋されています。
建物の上部まで描かれています。
ペシュリ通りと、プラティエール通りの角にあるので、全体の写真を撮ろうとすると意外とベストボジションが見つかりませんでした。
こちらも1階はとてもリアルに描かれています。
見てて楽しいだまし絵です。
Le mur des canuts
住所:36 Boulevard des Canuts, 69004 Lyon, フランス
1987年に製作された作品。
だまし絵は度々書き換えられています。
絹織物の街として発展してきたリヨンらしく、19世紀に多くの労働者が働いていた、Canuts地区を描いています。
見どころは沢山あるのですが、特に中央の階段は、奥行きがあるようで、本当に階段があるように感じます。
描かれている人物も生き生きとしています。
階段の奥の方までリアルに描かれています。
建物の角に本当に銀行があるように感じます。
とても見ごたえのある、「Le mur des canuts 」ですが、一つだけ問題があります。
それが、場所。
残念ながら、観光するためには、中心地のメトロ、「Hôtel de Ville」でC線に乗り、「Henon 」という駅に向かわなくてはなりません。
駅から降りてすぐですが、C線の接続によっては30分から1時間位かかるかもしれません。
観光ルートを決める際は十分に余裕を持って計画してください。
まとめ
いかがでしたか?
リヨンのだまし絵の中でも代表的な3選をご紹介させて頂きました。
この中の3つはどれもそれぞれと特徴があり、雰囲気も異なるので、とても楽しめると思います。
また、Fresque des Lyonnais と Fresque La bibliothèque de la cité は徒歩圏です。
ソーヌ川沿いを歩くとすぐに到着しますので、2つ一緒に見ることをお勧めします。
Le mur des canuts だけが、少し離れているので、ご自身の観光ルートに合わせて上手に組み合わせて見てください。
それぞれのポイントには想像よりも観光客は少ないので、ゆっくりと鑑賞出来ると思います。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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