今回は、第3回リヨン美術館コレクションのご紹介です。
前回までにご紹介出来なかった内容と、現代美術のご紹介になります。
リヨン美術館についての詳しい情報は、こちらをご覧ください。
第1回リヨン美術館コレクションは、こちらをご覧ください。
第2回リヨン美術館コレクションは、こちらをご覧ください。
- Louis Janmot (1814-1892)
- Pierre Puvis de Chavannes (1824-1898)
- Alexej von Jawlensky (1864-1941)
- Fernand Léger (1881-1955)
- Alfréd Réth (1884-1966)
- Alberto Magnelli (1888-1971)
- Serge Poliakoff (1900-1969)
- René Duvillier (1919-2002)
- Georges Adilon (1928-2009)
- Christian Lhopital (1953-)
- Réfectoire Baroque バロック食堂
- まとめ
Louis Janmot (1814-1892)
リヨン派であるジャンモは、フランスの画家であり詩人です。
カトリックの影響を強く受けた作品が多いです。
今回ご紹介する「Le Poème de l’âme」(魂の詩)は、1855年の万国博覧会に出品された作品です。
残念ながら当時の評判はあまり良くなかったようです。
全部で18の油彩画と16点の素描画からなる作品は、魂の転生を描いています。
なお、今回は油彩画のみのご紹介になります。
制作は1835-55年です。
1 Génération divine (神の創造)
魂の誕生を表しています。
2 Le Passage des âmes (魂の道)
魂が守護天使によって、天から地へと導かれています。
3 L’Ange et la mère (天使と母)
母親が幼い子供(転生した魂)を抱いている姿です。
守護天使が天に向かって祈っています。
4 Le Printemps (春)
男の子はピンクの服を着て、女の子は白い服を着ています。
子供時代の無邪気さが描かれています。
5 Souvenir du ciel (天の記憶)
リヨンのMulatièreが背景に描かれています。
2人の子供を通じて、神と人間のつながりを表現しています。
6 Le Toit paternel (父の家)
2人の子供は、窓際で稲妻を見ています。
祖母は詩を読み、2人の女性は裁縫をしています。
奥には、老婆と30歳位のジャンモが座っています。
7 Le Mauvais Sentier (悪い道)
大学の通路に、教師が並んでいるが、偽りの科学により、欺かれた理想と信仰をもって出口のない階段を上って行かなくてはならい様子が描かれています。
カトリック教徒であるジャンモから見た当時の社会に対する考えが表現されているのかも知れません。
歴史的背景もあり、解釈が難しい1枚です。
8 Cauchemar (悪夢)
老婆(死)が、少女を捕まえ、少年をも捕まえようとしています。
逃げる少年の足元が崩れています。
罪のない若い魂を、人間が腐敗させようとしている様子が描かれています。
9 Le Grain de blé (小麦の粒)
司祭が2人の若者に信仰を説いている場面です。
10 Première Communion (初聖体拝領)
サンジャン大教会での最初の聖体拝領のシーンです。
聖体拝領は、聖餐とも言われ、イエスの最後の晩餐に由来する儀式です。
11 Virginitas (純潔)
幸せは純粋な心であり、目に見えないものが彼らに明かされます。
12 L’Échelle d’or (黄金の階段)
夫婦が森で寝ていると、9人の天使が神に通じる階段に現れます。
それぞれが、芸術に関連するシンボルを持っているので、美と芸術に敬意を表しています。
13 Rayons de soleil (太陽の光)
地上の幸福の脆さを表現しています。
黒髪の女性が誘惑しようとしています。
14 Sur la Montagne (山頂)
純潔に生きる愛のすべての段階を経た二人は、精神的な旅の段階を表しています。
15 Un Soir (ある夜)
幼年期から成人期への移行の問題を表しています。
16 Le Vol de l’âme (魂の飛行)
二人は山の頂上を去り、現実の世界を去りました。
17 L’Idéal (理想)
二人の仲は最高点に達し、少女はさらに高く上昇します。
しかし、かれはそんな中でも不安を覚えています。
18 Réalité(現実)
彼が最初の聖体拝領の時の十字かに跪いているので、彼女を失ったことを表しています。
出典:wikipedia fr Le Poème de l’âme
Pierre Puvis de Chavannes (1824-1898)
Le Bois sacré cher aux arts et aux muses (1884)
1880年代にリヨン市から依頼されて制作した作品です。
南東隅の階段に描かれたこの作品は、リヨン美術館の記念碑的な作品です。
神聖で芸術的な風景を描いています。
Vision antique
左側に描かれているのは、古代ギリシャをイメージして描かれています。
写真はありませんが、右側には中世、またはルネサンス初期のイタリアの風景が描かれています。
Alexej von Jawlensky (1864-1941)
Tête de femme “Méduse”, Lumière et Ombre (1923)
ロシア系ドイツ人の画家。
Fernand Léger (1881-1955)
初期は、キュピズムに属していた画家です。
Alfréd Réth (1884-1966)
Sans titre (1947) Colombes (1950) Composition (1947)
ハンガリー出身の画家であり、École de Parisのメンバーです。
Alberto Magnelli (1888-1971)
l’album de la ferrage (1970)
イタリアの現代画家であり、コンクリートアート(幾何学的抽象化)運動の中心人物です。
Serge Poliakoff (1900-1969)
Composition abstraite (1964)
École de Parisに属する、ロシア人画家です。
René Duvillier (1919-2002)
Le viol de la vierge (1959)
École de Parisに属するフランス人画家です。
Georges Adilon (1928-2009)
14-8/31-8 (1991)
建築家であり、画家でもありました。
Christian Lhopital (1953-)
Danseurs (1985)
リヨン生まれの現代アーティストです。
Réfectoire Baroque バロック食堂
リヨン美術館のエントランスの右側に、バロック食堂があります。
残念ながらこの時は、修復作業が完了していなかったので、中には入れなかったのですが、本来はとても見ごたえのある場所です。
La Cène (1680-1690)
Louis Cretey (1635-1702) による作品です。
リヨンで生まれたクレティは、ローマ滞在中の影響を受けて、様々な作品を残しています。
見ごたえのある「最後の晩餐」ですので、ぜひ立ち寄ってみてください。
まとめ
全3回に渡ってご紹介させて頂いた、リヨン美術館コレクション。
古代から現代までとても見ごたえのある美術館でした。
それぞれの作品にはあまり詳しい解説は付けておりませんが、鑑賞の際、一緒に当ブログをご覧頂くと、作品への理解が少し深まると思います。
リヨン美術館見学の際、少しでもお役に立てれば幸いです。
なお、今回ご紹介出来た作品はコレクションの中でも一部のみです。
また、訪れる時期によっては展示されていない作品もあると思いますので、その際は、何卒ご了承ください。
私は時間の都合で、駆け足での鑑賞となってしまいましたが、出来ればもう少しゆっくり見たかったというのが本音です。
パリからの日帰りではどうしても時間の制約が出来てしまうため、十分な時間を割り当てることは出来ないと思いますが、観光ルートを検討されている方は、可能な限り長い時間を割り当てることをお勧めします。
リヨンに宿泊される方は、ぜひゆっくりと時間をかけて見学してくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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