オルセー美術館と言えば、印象派の巨匠の作品が揃うことで有名ですが、実は彫刻もかなりの数のコレクションを有しています。
19世紀の作品を中心に展示されていますので、作品もとても分かりやすく、初めての方でも十分に楽しめるコレクションになっています。
彫刻のほとんどが、1階の中央通路沿いに展示されていますので、ベンチに座ってゆっくりと鑑賞することも可能です。
ぜひ休憩ついでに眺めてみてはいかがでしょうか。
それでは代表的な作品をご紹介させて頂きます。
- James Pradier (1790-1852)
- Antoine-Louis Barye (1795-1875)
- Auguste Clésinger (1814-1883)
- Jules Cavelier (1814-1894)
- Paul Cabet (1815-1876)
- Jean-Joseph Perraud (1819-1876)
- Alexandre Schoenewerk (1820-1885)
- Eugène Guillaume (1822-1905)
- Jules Salmson (1823-1902)
- Albert-Ernest Carrier-Belleuse (1824-1887)
- Gabriel-Jules Thomas (1824-1905)
- Vincent Feugère des Forts (1825-1889)
- Jean-Baptiste Carpeaux (1827-1875)
- Ernest Christophe (1827-1892)
- Alexandre Falguière (1831-1900)
- Edgar Degas (1834-1917)
- Frédéric Auguste Bartholdi (1834-1904)
- Eugène Delaplanche (1836-1891)
- Charles Degeorge (1837-1888)
- Auguste Rodin (1840-1917)
- Jules-Isidore Lafrance (1841-1881)
- Louis-Ernest Barrias (1841-1905)
- Auguste Renoir (1841-1919)
- Albert Bartholomé (1848-1928)
- Jules Desbois (1851-1935)
- François Pompon (1855-1933)
- Anders Zorn (1860-1920)
- Aristide Maillol (1861-1944)
- Emile-Antoine Bourdelle (1861-1929)
- Camille Claudel (1864-1943)
- まとめ
James Pradier (1790-1852)
Sapho (1852)
スイス、ジュネーブ出身の彫刻家で、デビッド・ダンジェのライバルでもありました。
当時の多くの芸術家たちと交流をもっていました。
この作品は、彼の最高傑作の一つと言われています。
Antoine-Louis Barye (1795-1875)
Lion assis (1847)
主に動物の彫刻を製作しました。
ルーブル美術館の前に建つライオンも彼の作品です。
絵画も描いています。
Auguste Clésinger (1814-1883)
Femme piquée par un serpent (1847)
1847年のサロンに出品された作品、「蛇に噛まれた女性」
当時はスキャンダルになるほど話題になりました。
Jules Cavelier (1814-1894)
Pénélope (1849)
1849年のサロンで絶賛された作品です。
2016年、オルセー美術館のコレクションに加わりました。
Paul Cabet (1815-1876)
Sortie du bain (1861)
デビッド・ダンジェ、フランソワ・ルードの弟子でした。
Mil huit cent soixante et onze (1872-77)
Jean-Joseph Perraud (1819-1876)
Le Désespoir (1869)
オペラ座のファサードにある、Le Drame lyrique を製作しています。
Le Désespoir (1869)
Alexandre Schoenewerk (1820-1885)
La Jeune Tarentine (1871)
デビッド・ダンジェの弟子でした。
Eugène Guillaume (1822-1905)
Anacréon (1851)
James Pradierの弟子にあたる彫刻家です。
Collège de Franceなどで教授を務めました。
Napoléon 1er législateur (1860)
Le faucheur (1849)
Le faucheur (1849)
Jules Salmson (1823-1902)
La Dévideuse (1863)
後の多くの彫刻家に影響を与えています。
Albert-Ernest Carrier-Belleuse (1824-1887)
Hébé endormie (1869)
フランスを代表する彫刻家であり、ロダンの師でもあります。
La Bacchante (1863) 左側
Secret d’en haut (1879) Hippolyte Moulin 中央
Narcisse (1866) Paul Dubois 右側
Gabriel-Jules Thomas (1824-1905)
Virgile (1861)
パリの美術学校の教授になり、多くの学生に教えています。
Vincent Feugère des Forts (1825-1889)
La mort d’Abel (1865)
積極的にサロンに出品していました。
1867年の万国博覧会ではメダルを獲得しています。
Jean-Baptiste Carpeaux (1827-1875)
Ugolin (1862)
Ugolin (1862)
彫刻家ですが、画家としても活動していました。
作品は、ダンテの「神曲」に触発されて製作しました。
ウィリアムブレイクやロダンなども、このテーマの作品を製作しています。
Les quatre parties du monde (1872)
天文台の庭園に設置するために製作されました。
La France impériale portant la lumière dans le monde et protégeant les Sciences, l’Agriculture et l’Industrie (1866)
Enfants porteurs de palmes (1865) 下段
Le Prince impérial et son chien Néro (1865)
ナポレオン三世の息子と愛犬の像になります。
Le Triomphe de Flore (1866)
La Danse (1869)
パリ、オペラ座のファサードに展示するために製作されました。
当時は物議をかもした作品だったそうです。
La Danse (1868)
Ernest Christophe (1827-1892)
La Comédie humaine, dite « Le Masque » (1876)
ボードレールの友人でした。
Alexandre Falguière (1831-1900)
Tarcisius, martyr chrétien (1868)
ブールデルの師になります。
作品は、3世紀頃、キリスト教の殉教者であるタルチシウスになります。
Vainqueur au combat de coqs (1864) 中央
Trouvaille à Pompéï (1863) Hippolyte Moulin 右側
Edgar Degas (1834-1917)
Petite danseuse de 14 ans
画家として大変有名なドガですが、こちらの作品は彼の死後に発見された作品です。
生前は、知られていなかったようです。
Frédéric Auguste Bartholdi (1834-1904)
Liberté (1889)
自由の女神像の製作で有名になった彫刻家です。
Eugène Delaplanche (1836-1891)
Ève après le péché (1869)
サロンでも度々メダルを獲得している彫刻家です。
Charles Degeorge (1837-1888)
Jeunesse d’Aristote (1875)
彫刻家であり、生涯においてメダルを多く製作しました。
Auguste Rodin (1840-1917)
Balzac (1897)
近代彫刻の父と言われるロダン。
すぐ近くにロダン美術館がありますので、ぜひお時間のある方は立ち寄って見てくださいね。
ロダン美術館についてはこちらで詳しくご紹介させて頂いております。
L’HOMME QUI MARCHE (1907)
洗礼者聖ヨハネの足と胴体の研究のために作られた作品です。
SAINT JEAN-BAPTISTE (1880)
洗礼者ヨハネをモデルに作られています。
Jean d’Aire (1886)
ロダンの代表作、カレーの市民の製作の一環として製作された作品です。
Jules-Isidore Lafrance (1841-1881)
Saint-Jean Baptiste enfant (1878)
洗礼者聖ヨハネ の子供の頃の像になります。
Louis-Ernest Barrias (1841-1905)
Jeune fille de Mégare (1870)
多くの生徒(弟子)を教えています。
Auguste Renoir (1841-1919)
Eau (1917)
画家として有名なルノワールですが、1913年から1918年まで、Richard Guino (1890-1973)と共同で作品を製作しています。
Eau (1916) 左
Coco (1907) 中央
Feu (1916) 右
Jugement de Pâris (1914)
Madame Renoir (1916)
Albert Bartholomé (1848-1928)
La Philosophie, la Vérité et la Nature (1910) 奥
La Musique (1910) 左側、手前
Jean-Jacques Rousseau (1912) 中央、手前
La Gloire (1910) 右側、手前
画家としてキャリアを始めた彫刻家です。
ドガの友人でもあり、19世紀後半から20世紀初頭のフランスを代表する彫刻家です。
Jules Desbois (1851-1935)
Torse d’homme (1934)
ロダンから多くの影響を受けた彫刻家です。
François Pompon (1855-1933)
Ours blanc (1923-33)
Ours blanc (1923-33)
動物彫刻家であり、ロダンの下で働いていたこともありました。
Anders Zorn (1860-1920)
Figure pour une fontaine II (1911)
スゥエーデンの画家であり、彫刻は晩年に製作しました。
Aristide Maillol (1861-1944)
La Méditerranée (1923-27)
元々は画家として活動し始めたマイヨール。
ジャン・レオン・ジュローム、カパネルの弟子であり、アカデミズムの画家の下で修業しています。
ブールデル、ロダンの影響や、同時代の画家たち、シャバンヌ、ゴーギャンなどの影響を強く受けています。
チュイルリー公園に彼の多くの作品が展示されています。
シンプルで美しい彫刻が特徴です。
Etude pour la Montagne (1935) 左側から
Femme assise les jambes allongées (1923)
Torse de femme (1900)
Baigneuse debout (1900)
Eve à la pomme (1899)
Femme assise sur ses talons (1900)
Danseuse (1896)
Jeune fille à la draperie (1921)
Monument à Cézanne (1912-25)
Désir (1907)
Baigneuse (1902)
Jeunesse (1910)
Le Cycliste (1907)
Emile-Antoine Bourdelle (1861-1929)
Héraklès archer (1909)
Héraklès archer (1909)
20世紀を代表する彫刻家であるブールデル。
先生としても非常に人気のあった彫刻家です。
「弓を引くヘラクレス」は非常に人気の高い作品であり、世界中の美術館で展示されています。
日本でも国立西洋美術館などに展示されています。
Camille Claudel (1864-1943)
L’Age mûr (1897)
ロダンの弟子であり愛人でもあったカミーユクローデル。
ロダンと分かれた後の作品で、ちょっと切ないですね。
Etude II pour Sakountala (1886) 左側から
Tête de vieille femme, étude pour l’Âge mûr (1890)
Torse de Clotho (1893)
L’Hiver (1890) Auguste Rodin
La Misère (1893-94) Jules Desbois
まとめ
いかがでしたか。
とても分かりやすい作品が多かったと思います。
作品の詳細を知らなくても十分に楽しめる作品ばかりだと思います。
絵画に興味があっても、彫刻はあまりお好きでない方も、ぜひオルセー美術館の作品をきっかけに少し興味を持って頂けると嬉しいです。
また、興味を持たれた方は、ぜひ作品ごとの背景を調べてみてくださいね。
さらに彫刻の世界が楽しくなってくると思います。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
オルセー美術館の概要についてはこちらで詳しくご紹介させて頂いております。
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