パリには沢山の美術館がありますが、その中でも今回ご紹介させて頂く「マルモッタンモネ美術館」はぜひ訪れて欲しい美術館の一つです。
名前の通り、モネの作品が多数展示されていますが、それ以外にもモリゾーを始めとする多くの画家の作品も展示されています。
パリの外れにあり、混雑もなく、のんびりと鑑賞することが出来ますので、印象派の作品が好きな方は、ぜひ滞在中に時間を作ってお立ち寄りください。
マルモッタン・モネ美術館
基本情報
Musée Marmottan Monet マルモッタン・モネ美術館
住所:2 Rue Louis Boilly, 75016 Paris, フランス
開館時間:
火曜日~日曜日 10:00~18:00
木曜日 10:00~21:00
休館日:月曜日
最寄り駅:
La Muette 9号線
Gare d’Avenue Henri Martin RER C線
Gare de Boulainvilliers RER C線
入場料
料金 | |
---|---|
大人 | 14ユーロ |
割引価格 18歳以下 25歳以下の学生 教師等 | 9ユーロ |
体の不自由な方 7歳未満 ジャーナリスト | 無料 |
オーディオガイド | 4ユーロ |
割引等に関しては、証明書を要求される場合があります。
その他グループ割引等があります。
歴史と特徴
19世紀後半に庭園付きの邸宅が建てられる。
1882年に、”Jules Marmottan”が邸宅のオーナーとなる。
芸術愛好家として知られていた、”Jules Marmottan”は1883年に亡くなったとき、かなりの財産と数多くの芸術品を、息子である”Paul Marmottan”に遺産として残していました。
1856年に生まれた”Paul Marmottan”もまた、歴史と芸術の勉強に没頭し、彼自身のコレクションを構築していきました。
建物全体も改築し、特に家具は、チュイルリー宮殿やナポリのPalazzo Reale di Porticiから運ばせました。
1932年、彼の死に際して、彼の所有する作品と邸宅が、”Académie des Beaux-Arts”に寄贈されます。
1934年、美術館として一般に公開。
1966年、クロード・モネの息子であるミッシェルモネの寄贈により、世界最大のモネのコレクションを所蔵することになります。
美術館は、「Musée Marmottan Monet」として名を知られるようになります。
その後も芸術家たちの子孫は、ミッシェルモネの例に従って、数々の作品が寄贈され続けました。
行き方
メトロ9号線La Muette 駅を出て、ミュエット通りをLA Gare と言う、昔駅舎だったレストランを目指して歩きます。
そのままミュエット通りを真っすぐ歩き、ラヌラグ庭園( Jardin du Ranelagh)を抜けて、分岐になる所まで歩きます。
分岐の先は、車が入れない歩道になっていますので、そのまま直進します。
のんびりとした庭園です。
あまり人もいないので、暖かい季節にはお勧めの場所です。
突き当りまで行くと、右手にマルモッタン・モネ美術館が見えてきます。
駅からの所要時間は10分~15分位ですので、遠く感じることはないと思います。
入り口はそのまま道なりに歩くと見えてきます。
意外と小さめの入り口なので、ちょっとびっくりしました。
但し、イベントのポスターなどが飾られていますので、間違うようなことはないと思います。
所要時間
マルモッタン・モネ美術館は地下1階、0階、1階(日本式2階)の3フロアから構成されています。
全体的にそれほど広くはないのですが、一つ一つの部屋が見応えがありますので、意外と時間がかかるかも知れません。
普通に歩きながら見てしまえば、1時間位で見ることは出来ると思いますが、このページを見ている方は、モネに興味のある方だと思いますので、やはり2時間位は欲しい所です。
館内は基本的に空いていますので、一つ一つの作品をゆっくり鑑賞出来ます。
ぜひ、時間をかけて作品を鑑賞されることをお勧めします。
見どころ
館内に展示されている作品はもちろん、どれも素晴らしいのですが、それに劣らず、美術館自体が見どころ満載です。
外観ももちろん、素敵なのですが、館内は様々な調度品で飾られていて、どの部屋を見てもため息が出るほど素敵です。
ブルーグリーンのような壁の色に、無数に作品が飾られているだけではなく、テーブルや椅子、キャンドルスタンドと言ったダイニング用品も一際目を引きます。
そして美しいシャンデリア。
扉の1枚1枚もつい見とれてしまうほど美しいです。
美術館なのですが、どこかの素敵なお屋敷に来たような感じがします。
L’Amour et Psyché (ラムール エ プシュシェ)仏
Antonio Canova (1757-1822)
部屋自体が作品となっているので、様々な角度から館内を楽しむことが出来ます。
部屋の随所に置かれている椅子も由緒ある椅子です。
くれぐれも座ったりしないように注意してくださいね。
細部に至るまで手の込んだ作品です。
絵画に夢中になっているとつい見落としてしまいますので、ぜひ注意深く鑑賞してください。
Claude Monet クロード・モネ(1840-1926)
Impression, soleil levant (1872) 印象、日の出
1872年11月 ルアーブルのHotel del’Amirautéの窓から見える景色を描いたと言われている作品。
「印象派」という名前の由来となった、美術史における大変な重要な意味を持つ作品です。
Cathédrale de Rouen, effet de soleil, fin de journée (1892) ルーアン大聖堂、太陽の影響、一日の終わり
1892年から1894年まで、連作で描かれてたルーアン大聖堂。
西側の扉口を捉えた作品を集中的に描いています。
またルーアン大聖堂を描いた作品は33点もあると言われています。
En promenade près d’Argenteuil(1875) アルジャントゥイユの近くの散歩
パリ近郊のアルジャントゥイユにアトリエを構えていた頃の作品。
妻であるカミーユと、息子ジャンが描かれています。
Les Tuileries (1876) チュイルリー
セザンヌの支援者であるVictor Chocque(ビクトワー・ショッケ)のリボリー通りにあるアパルトマンからの眺めを描いた作品。
アパルトマン5階からの眺めなので、チュイルリーを見下ろす形の作品になっています。
数枚描かれていると言われていますが、マルモッタン美術館の作品が最も優れていると言われています。
Gare Saint-Lazare (1877) サンラザール駅
サンラザール駅周辺の様子が描かれた作品。
描かれている橋は、現在は破壊されて残っていないそうです。
Berthe Morisot ベルト・モリゾ (1841-1895)
Le jardin à Bougival (1884) ブージヴァルの庭
モリゾーの作品の大半がブージヴァルに関連付けられたものとなっています。
色とりどりバラの茂みが大胆に描かれています。
Bergère couchée (1891) 横たわる羊飼い
モリゾー、晩年の傑作と言われている作品。
パリ郊外、イヴリーヌの町メジーで描かれた作品は、愛娘ジュリーの友人、Gabrielle Dufour(ガブリエルデュフォール)がモデルとなっています。
特にこの作品では、モリゾーのタッチと絶妙な色使いが高く評価されています。
Enfants à la vasque (1886) 飾り鉢の子供たち
エトワール広場の近く、ヴィルジュスト通りにあった自宅で描かれた作品。
コンシェルジュの娘であるMarthe Givaudanと愛娘ジュリーが大きい陶器で遊ぶ姿が描かれています。
青と白の中国磁器の花瓶は、マネからモリゾーに贈られたものと言われています。
Gustave Caillebotte ギュスターヴ・カイユボット (1848~1894)
La Leçon de piano (1879) ピアノレッスン
2人の女性がアップライトピアノの前でレッスンを受けている様子を描いています。
このテーマは翌年以降、ルノワールが好んで取り入れています。
オランジュリー美術館にルノワールの作品がありますので、比べて鑑賞するのも良いかも知れません。
Camille Pissarro カミーユ・ピサロ (1830~1903)
Les boulevards extérieurs, Effet de neige (1879) 雪の環状道路
ピサロがパリの街を描くようになる初期の1枚。
雪の影響で人々が困惑している様子が見事に描かれています。
Auguste Renoir オーギュスト・ルノワール (1841~1919)
Portrait de Julie Manet (1894)ジュリーの肖像画
モリゾーの友人であるルノワールが、モリゾーの愛娘ジュリーを描いた肖像画。
灰色の背景に描かれた、ジュリーの悲しげな視線が印象的です。
Librairie-boutique
美術館の0階に、ギフトショップがあります。
もちろん、モネにちなんだ商品が多いのですが、最近の美術館のギフトショップは本当に色んなものが販売されています。
マルモッタン・モネ美術館に限ったことではないのですが、最近はどこの美術館も商売意識が高すぎます。
美術書やポストカードはもちろん、文房具、Tシャツやポロシャツ、パーカーといった衣料品、アクセサリーといったファッション小物まで、ほぼ何でもあります。
そしてすべてに共通しているのですが、どれも値段が高いということです。
もちろん、ここでしか購入出来ない商品なのはわかるのですが、もう少し安くしてくれるとありがたいのですが、、、、、。
まとめ
いかがでしたか?
パリの外れにあるこじんまりとした美術館ですが、とにかく見応え十分です。
モネに限らず他の作品にも素晴らしいものがありますので、とても満足度の高い美術館です。
特に、モリゾーの作品もたくさん展示されていることで有名です。
1階(日本式2階)の一部屋がすべてモリゾーの作品となっていてとても見応えがあります。
ぜひこちらも鑑賞されることをお勧めします。
事前にオランジュリー美術館で、モネの作品やルノアールなどを鑑賞してから来館すると、また違った角度から楽しめると思います。
オランジュリー美術館のご紹介はこちらからどうぞ。
そして16区はとても治安の良いエリアです。
パリ中心地の喧騒とはかけ離れた、少しのんびりとしたエリアです。
お時間のある方はこの辺りを散策してみるのもお勧めです。
La Muetteからメトロで移動するのも良いですが、バス32号線でトロカデロ方面へ向かい、エッフェル塔を観光するコースもお勧めです。
最後に、パリで美術館に行きたいけど混雑しているし、並ぶのが嫌だなという方にもぜひ訪れて欲しい美術館です。
美術館が好きになる、きっかけになるかもしれません。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
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