ユネスコ世界遺産にも登録されているケルン大聖堂。
世界最大のゴシック建築の大聖堂と訪れる前から予備知識はありましたが、実際に目の前にすると、想像以上の大きさに圧倒されます。
もちろん、その魅力は大きさだけでなく、細部に至るまでの細かい作りや、ステンドグラスの美しさなど、1度で鑑賞るすのはとても不可能なほどです。
ケルン大聖堂の魅力をすべて伝えることは出来ないのですが、その歴史とステンドグラスの魅力を皆様にご紹介させて頂きたいと思います。
- Cologne Cathedral ケルン大聖堂
- 歴史
- 外観
- 内部
- ステンドグラス と 展示物
- ①バイエルン窓
- ①東方三博士の礼拝 The Adoration window 1846
- ①キリスト哀悼/ピエタ The Lamentation window
- ②南トランセプトの内壁 Inside wall of the south transept
- ③南トランセプトの窓 Window of the South Transept
- ④聖アギロルフスの祭壇画 St Agilulfus altar-piece
- ⑤市の常連客の祭壇 Altar of the City Patrons
- ⑥マギの棺 Shrine of the Magi
- ⑦セントアグネス・ウィンドウ The St Agnes window
- ⑧軸礼拝堂の新ゴシック様式品 Neo-Gothic furnishings of the axial chapel
- ⑨はりつけの祭壇 Crucifixion Altar
- ⑩下呂十字架 Gero Crucifix
- ⑪床モザイク The plan of the floor mosaic
- ⑫マギ祭壇 Magi Altar
- ⑬キリスト降誕のウィンドウ The Nativity of Christ window
- ⑭セントピーターとジェシーの窓
- まとめ
Cologne Cathedral ケルン大聖堂
基本情報
Cologne Cathedral ケルン大聖堂
住所:Domkloster 4, 50667 Köln, ドイツ
営業時間:06:00~20:00
休業日:なし
入館料:無料
歴史
313年 初代キリスト教の聖堂が現在の大聖堂と同じ場所にあったと言われています。
(建築的にそれを証明する根拠はありません)
6世紀ごろには、建築上の証拠が表れています。
800年頃の大聖堂は、現在の姿とは様子が違っていました。
1248年 Hochstadenのコンラッド大司教は、現在の大聖堂の基礎となる意思を築きました。
大聖堂の建築は、現代のフランス建築、アミアンの大聖堂、パリのサントシャペルを手本として始められました。
1265年頃 礼拝堂がゴシック様式の建築の中で初めて完成されました。
1520年以降は、建築が中止され、また1794年にはフランス軍に占拠されるなど不遇の時代が続きました。
1842年 プロイセンのフレデリック・ウィリアム4世は、300年以上放置されていた大聖堂を完成させるべく、最初の基礎石を築きました。
大聖堂の完成に向けて、国王だけでなく、多くのケルン市民が多額の寄付を行いました。
1880年 大聖堂が完成した時には、2つの塔の高さは157メートル以上もあり、当時、世界で最も高い建築物でした。
1945年 第2次世界大戦の影響で深刻な被害を受けましたが、中世の芸術作品はその難を逃れました。
1996年 ユネスコ世界遺産に登録されました。
外観
駅から見えるケルン大聖堂。
こちらは北側になります。
ケルン中央駅を出たら目の前に大聖堂があると聞いていましたが、本当に目の前に巨大なゴシック建築の大聖堂が現れます。
今までに沢山の教会を見てきましたが、一番のインパクトです。
時間によって見え方はかなり変わりますが、圧倒的な存在感は変わりません。
また、午後になると写真のようにたくさんの人で賑わいますので、写真を撮るのは午前中が良いかもしれません。
大聖堂の入り口は、西側にあります。
駅を出て大聖堂に向かって歩いてそのまま右側に進みます。
丸みを帯びた三角形の壁面部分をティンパヌム (タンパン フランス語読み)と言います。
ロマネスク、ゴシック様式の建築では必見のポイントです。
ケルン大聖堂は圧巻の装飾です。
入り口からかなりの見応えがあります。
こちらは駅から来ると裏側、南側になります。
正面と打って変わって人が少ないです。
もちろん午後になるとたくさんの人で溢れかえりますが、、、。
裏手にあたる南口にはギフトショップも併設されています。
お土産をお探しの方は立ち寄って見てくださいね。
内部
ケルン大聖堂の内部は驚くほど天井が高く、アーチ型の天井はその美しさ、荘厳さをより一層引き立たせています。
内部には沢山の歴史的価値のある作品群がありますので、それらを一つ一つ鑑賞していると時間が経つのも忘れてつい長居をしてしまいます。
そんな沢山の価値ある作品の中から、今回は代表的な作品を幾つかご紹介させて頂きます。
ステンドグラス と 展示物
大聖堂内部の見取り図です。
手前が入り口になっていて、以下の番号と作品のある場所が対比しています。
観光の際の参考にしてみてください。
①バイエルン窓
1842年にルートヴィッヒ1世により寄贈されました。
キリスト教にまつわる話が描かれています。
①東方三博士の礼拝 The Adoration window 1846
写真の真ん中のステンドグラス。
ここに描かれているシーンはキリスト誕生に関する受胎告知の場面です。
柱で全体が隠れてしまっていますが、分割された左から2番目の所に3人の人物が描かれています。
一人は跪き、二人は立って贈り物を手にしています。
この3人こそが東方三博士で、ケルン大聖堂ではとても重要な人物になっています。
この3人の聖遺物が金色の棺の中に収められていると言われています。
①キリスト哀悼/ピエタ The Lamentation window
十字架から降ろされたイエスを抱きしめる聖母マリア様が描かれています。
その上には、最後の晩餐の場面が描かれています。
また、下の窓の部分には、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネが描かれています。
②南トランセプトの内壁 Inside wall of the south transept
建築家Ernst Friedrich Zwirnerによって設計され、1847年に完成。
上下2つに分かれたセクションでは、下の部分に、聖者ベネディクト、ドミニク、フランシスコ、ブルーノ、ロヨラのイグナティウス、そしてテレサが描かれています。
また、彼らはすべて修道会の創始者であります。
上の部分には旗を持つ天使が描かれています。
写真の正面下の扉の両サイドに小さいですが絵が飾られています。
左側が1855年の聖母マリアの被昇天、右側が受胎告知になります。
1855年の聖母マリアの被昇天は画家フリードリヒ・オーバーベックによって描かれ、天の聖母マリア様の周りを8人の天使が取り囲んでいる様子が描かれています。
受胎告知は1712年にPetrus Bequererにより寄贈されたものです。
③南トランセプトの窓 Window of the South Transept
Gerhard Richter ゲルハルト・リヒター (ドイツ最高峰の画家と言われています)が第2次世界大戦後、破壊されたステンドグラスの代わりにこの窓を制作。
2007年にようやく完成した作品です。
特別に開発されたコンピューターを利用し、色の配置を決定しました。
④聖アギロルフスの祭壇画 St Agilulfus altar-piece
1520年頃に作られて、1817年に大聖堂に移されたと言われています。
⑤市の常連客の祭壇 Altar of the City Patrons
ケルンを拠点とする芸術家Stefan Lochner(シュテファン・ロッホナー)により1442年頃に制作された作品。
この作品は毎日の典礼に使用されているそうです。
⑥マギの棺 Shrine of the Magi
マギの棺は、歴史的、芸術的にも大変に貴重なものです。
制作は1190年から1220年まで。
その装飾は大変豪華で、金と銀のエンボス加工、金箔張りのフィギュア、貴石と半貴石、凹版、カメオの彫り細工品のパネル、そしてエナメルで飾られた柱、アーチから成っています。
描かれている題材は聖書に沿っており、生誕から最後の審判、救済のシーンまで表現されています。
⑦セントアグネス・ウィンドウ The St Agnes window
写真の右側にあるのが、セントアグネス・ウィンドウ 左側にあるのが、セントカニバートウィンドウ (The St Cunibert window)になります。
⑧軸礼拝堂の新ゴシック様式品 Neo-Gothic furnishings of the axial chapel
1892年に霊廟が撤去された後、教会の画家Friedrich Stummel により制作された。
⑨はりつけの祭壇 Crucifixion Altar
1500年頃にミドルラインの工房で彫刻されたと言われています。
⑩下呂十字架 Gero Crucifix
970年頃、大司教Gero により寄贈される。
木製のこの十字架は、古い大聖堂の中心に立っていたと言われています。
⑪床モザイク The plan of the floor mosaic
1899年に完成した1,350平方メートルにもわたる床のモザイクは、大聖堂で最も大きな芸術作品です。
あの、Villeroy&Boch社の製品を使用していることでも有名です。
⑫マギ祭壇 Magi Altar
1668年から1683年の間に、Heribert Neussによって制作された祭壇です。
材料には、黒大理石と淡いアラバスターを使用していました。
1889年に解体され、若干の変更を加えた後、1920年に祭壇として使用されました。
⑬キリスト降誕のウィンドウ The Nativity of Christ window
写真、真ん中の窓が、キリスト降誕のウィンドウ。
天使と羊飼いに崇拝されたキリストが描かれていて、左上にはモーセが描かれています。
右側の窓がマギ窓(The Magi window)になります。
⑭セントピーターとジェシーの窓
1509年に寄贈されたこの窓は、St Peterにまつわることが描かれています。
まとめ
いかがでしたか?
ケルン大聖堂は、世界最大のゴシック建築の大聖堂と言われるだけあり、まずその大きさに圧倒されます。
そしてその大きさゆえ、様々な場所から見ることも楽しみの一つになります
また内部に至っては、今回ご紹介させて頂いた作品以外にも沢山の見どころがあり、一つ一つ丁寧に見て行くとかなりの時間を要するかもしれません。
しかしそれだけの時間をかける価値は、十二分にあると思います。
なお、ケルン大聖堂の内部を訪れる際は、帽子やフードは必ず取って見学してくださいね。
日本の方が思う以上に信仰心のある方が大勢いらっしゃいます。
ご迷惑をお掛けしないように心がけて見学するのもマナーです。
そして最後に大聖堂を撮影するときに、実はとても大きな問題があります。
それは、スマートフォンでは、外観が写真に入りきらないというこです。
ケルン中央駅の目の前に大聖堂があるのはとても便利なのですが、あまりの大きさ故、駅前からは全体像が上手く撮影することが出来ません。
西側の入り口方面はなおさら近すぎてどうやっても写真には収まり切れません。
唯一可能性があるのが南側からの撮影ですが、こちらからでも大聖堂から少し離れて撮影してギリギリ収まる位の感じです。
なかなか上手に撮影しにくいのですが、個人的にお勧めの撮影スポットがあります。
それは、ライン川沿いにある公園、Wasserspielplatz in der Altstadt周辺からの撮影です。
この辺りから撮影すると大きな建物に邪魔されずに、バランスよく大聖堂が撮影出来ると思います。
またライン川越しにホーエンツォレルン橋も綺麗に撮影することが出来ますので訪れる価値はあると思います。
ぜひ、お時間のある方は立ち寄ってみてくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
パリから日帰りで行けるケルンの旅の詳細はこちらでご紹介させて頂いております。
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