リヨン美術館には想像以上に沢山の作品が展示されていました。
前回の記事の中で紹介しきれなかった作品たちを、3回に分けてご紹介させて頂きます。
事前に作品の詳細が少し分かると、より美術館を楽しむことが出来ると思います。
リヨン美術館の基本情報についてはこちらで詳しくご紹介させて頂いております。
合わせてご覧になってください。
- Sculptures 彫刻
- Antiquités アンティーク
- Peintures 絵画
- Claude Guinet ( -1512)
- Le Pérugin (Pietro di Cristoforo Vannucci) (1448-1523)
- Gerard David (1460-1523)
- Lorenzo Costa (1460-1535)
- Paolo Veronese (1528-1588)
- Jan Brueghel l’Ancien (1568-1625)
- Sébastien Vrancx (1573-1647)
- Guido Reni (1575-1642)
- Pieter Paul Rubens (1577-1640)
- Sisto Badalocchio (1581-1620?)
- Giovanni Lanfranco (1582-1647)
- Le Guerchin (1591-1666)
- Nicolas Poussin (1594-1665)
- Pierre de Cortone (1596-1669)
- Guido Cagnacci (1601-1663)
- Antonio de Pereda (1611-1678)
- Nicolas Chaperon (1612-1656)
- Thomas Blanchet (1614-1689)
- Giovan Battista Langetti (1625-1676)
- Jean Jouvenet (1644-1717)
- Jean II Restout (1692-1768)
- Giovanni Niccolò Servandoni (1695-1766)
- まとめ
Sculptures 彫刻
Laurent Marqueste (1848-1920)
Persée et la Gorgone (1890)
フランス、トゥールーズ生まれの彫刻家。
古典的な作品に影響を受けた作品を多く制作しています。
1871年にローマ大賞を受賞。
1900年、パリ万博でグランプリを受賞。
この作品は同じテーマで、1875~1903年の間に5体作られています。
Antoine Bourdelle (1861-1929)
Héraklès archer (1909)
フランスの彫刻家。
1924年にはレジオンドヌール勲章を受けています。
男性的な肖像や記念像を多く手掛けています。
近代ヨーロッパを代表する彫刻家の一人です。
写真の「弓を引くヘラクレス」は、ブールデルの名を世に知らしめた、不朽の名作です。
幾つかのヴァージョンがあり、世界中の美術館で展示されています。
Antoine-Louis Barye (1795-1875)
Lion au serpent(1832)
動物を中心に制作した彫刻家です。
1832年に制作された、「ライオンと蛇」は彼の代表的な作品です。
Jean-François Legendre-Héral (1796-1851)
Minerve(1837-1840)
リヨン美術館に彼の作品が多数展示されています。
Aristide Maillol (1861-1944)
La Montagne (1937)
ロダン、ブールデルと並び、近代ヨーロッパを代表する彫刻家です。
マイヨールは、40歳を過ぎて彫刻を始めました。
それまでは、画家としての活動が中心でした。
数々の作品を残していますが、彼の作品のほとんどは、女性の裸体が中心になっています。
Antoine Étex (1808-1888)
Caïn et sa race maudits de Dieu (1832-39)
聖書のカインの話を題材に製作されています。
1839年、パリのサロンで発表され高い評価を得ました。
Albert-bartholome (1848-1928)
Monument aux morts (1895-1899)
パリのペールラシェーズ墓地のモニュメントのモデルです。
バルトロメは、エドガー・ドガの友人でもあり、最初は絵画を中心に活動していました。
妻の死後に彫刻を始め、1900年の万国博覧会では大賞を受賞しています。
Auguste Rodin (1840-1917)
Minerve au casque (1905)
近代彫刻の父と呼ばれるロダン。
芸術に興味のない方でも、代表的な作品「考える人」の名前を聞いたことがあると思います。
ロダンは当時の芸術家としては珍しく、専門的な学校を出ていません。
ボザール・ド・パリに3度受験して3度とも落ちています。
その後は、彫刻家のスタッフや装飾の仕事をこなして生活していました。
ロダンの20代は波乱万丈で、1862年、22歳の時に姉を亡くし、自身も修道院に入ることを決意したが、当時の代表であるPeter Julianに彫刻の道に進むことを勧められました。
1864年、24歳の時に妻となる、 Rose Beuretと出会います。
その後子供も生まれ、しばらくは、Albert-Ernest Carrier-Belleuseの下で働いていました。
1870年普仏戦争の際に召集されたが、近視のため従軍せずに、ベルギーに渡ります。
ベルギーでは証券取引所の装飾の仕事をしていました。
1875年、イタリアに芸術作品を見るために旅行に出かけます。
イタリアで、ミケランジェロの作品に衝撃を受け、再び作品の制作に取り組みます。
1877年、37歳の時にようやくパリに戻ります。
L’Âge d’airain(青銅の時代)を発表したが、極めてリアルに出来ていたために、疑いをかけられ、その後実寸の人間よりも大きな作品(Saint Jean Baptiste)を作ることにより、フランス中にその評価を知らしめることになります。
1880年、美術館建設のため、モニュメント制作の依頼があり、そこに飾るべき作品、「地獄の門」の制作に取り掛かります。
しかし、この話はその後立ち消えとなるが、ロダンは「地獄の門」の制作にその後の活動を捧げます。
1882年、アルフレッドブーシェの後任として彫刻の講師となります。
ここで、Camille Claudelと出会います。
1895年、Les Bourgeois de Calais(カレーの市民)を制作しました
La Tentation de saint Antoine(1889-1903)
L’Automne (1904)
Ève
LE BAISER (1882)
1889年のパリ万博のために、フランス政府から依頼されて制作しました。
本来は、「地獄の門」のレリーフの一つとして制作されたものです。
オリジナルはパリの「ロダン美術館」に展示されています。
Le Penseur (1881)
Antiquités アンティーク
Égypte エジプト
1階(日本式2階)に上がると、古美術品が数多く展示されています。
ルーブル美術館の規模が小さい感じです。
それでも展示されている作品の数はかなりの数になります。
まずは、エジプト関連の作品が並んでいます。
Sarcophage(石棺)なども置かれています。
Grèce ギリシャ
続いてギリシャの部屋になります。
Hydrie des Mystères d’Eleusis
水を汲むための花瓶ですが、見事な装飾が施されています。
Rome et l’empire ローマ
Moyen-Age 中世
Renaissance ルネッサンス
Médaillier メダル
Objets d’art
Saint Georges terrassant le dragon (1889)
Eugène Grasset (1845-1917)の作品です。
アールヌーボーの先駆者的存在です。
Peintures 絵画
Claude Guinet ( -1512)
Sainte-Catherine (1507)
Guinetは、ガラス職人でもあり、画家でもあった。
Le Pérugin (Pietro di Cristoforo Vannucci) (1448-1523)
Saint Herculan et saint Jacques (1505)
ルネサンスの画家であるペルジーノ。
本名とは違う名で呼ばれているのは、1485年にペルージャの名誉市民に選定されたためです。
彼の功績は非常に大きく、バチカンやシスティーナ礼拝堂の壁画を担当したことでも有名です。
また、若きラファエロの師であり、彼に多大な影響を与えました。
作品は、ペルージャの司教である、聖Herculanとイエスの12人の使徒の一人である聖Jacques が描かれています。
Gerard David (1460-1523)
La Lignée de sainte Anne (1490-1500)
David は、オランダ初期の画家であり、主に宗教画を中心に描いていました。
この作品は、「ジェシーの木」の形で、聖母マリアの母である聖アンの系図を描いたものです。
Lorenzo Costa (1460-1535)
La Nativité (1490)
イタリア ルネッサンス期の画家。
作品は、ベツレヘムでのイエスの誕生のシーンです。
Paolo Veronese (1528-1588)
Bathsabee au bain (1575)
パオロ・ヴェロネーゼは、PAOLO CALIARI(パオロ・カリアリ)と呼ばれることもあります。
ルネサンス後期のヴェネツィアを代表する画家として評価されています。
ルーブル美術館に展示されている、カナの婚礼は彼の作品の中でもとても評価の高いものです。
L’adoration des mages
Moïse sauvé des eaux (1570-80)
水から救われるモーセのシーンです。
Jan Brueghel l’Ancien (1568-1625)
L’air (1611) La Terre (1610)
花のブリューゲルとも呼ばれています。
ルーベンスと共同で制作した作品も多数あります。
Le Feu (1606) L’Eau
これらの作品は、L’air(空気、または風)、La Terre(地)、Le Feu (火)、L’Eau (水)の四元素を描いた作品です。
ヨーロッパでは、古代から18~19世紀まで、世界はこの4つの元素から成り立っているという考えが広く支持されていました。
Sébastien Vrancx (1573-1647)
Énée retrouvant son père aux Champs-Élysées (1597-1607)
ヴランクスは、フランドルのバロック画家であり、戦いのシーンを描いた作品を多く作っています。
Guido Reni (1575-1642)
L’Assomption de la Vierge (1637)
バロック時代のイタリア人画家である、レーニは、宗教画や神話的な作品を数多く手がけています。
この作品は、当初は半円形で神が描かれていました。
Pieter Paul Rubens (1577-1640)
Saint Dominique et Saint François préservant le monde de la colère du Christ (1618-20)
バロック様式に最も影響を与えたと言われているルーベンス。
キリスト教や古典文学に深い造詣があったことが作品からもみて取れると思います。
アントワープにあった彼の工房ではヨーロッパ全土の貴族たちからの注文を大量に受けていました。
L’adoration des Mages (1617-1618)
マギの礼拝(東方三博士の礼拝)のシーンを描いています。
Sisto Badalocchio (1581-1620?)
Vierge et l’Enfant entre saint Benoît et saint Quentin (1618)
画家や彫刻家として、数々の作品を残しています。
Giovanni Lanfranco (1582-1647)
Saint Conrad Confalonieri (1618)
バロック時代を代表するイタリア人画家。
Le Guerchin (1591-1666)
La Circoncision (1646)
グエルチーノは、バロック時代のイタリア人画家です。
前期と後期で作風に違いがあり、後期はGuido Reniの影響を多く受けています。
また、絵を描くペースが非常に早く、かなりの作品を残しています。
作品はエルサレムで割礼されるイエスを描いています。
Nicolas Poussin (1594-1665)
La Mort de Chioné (1622)
バロック時代のフランス人画家。
制作の拠点はローマにありました。
バロック時代の画家ですが、作品は歴史的、宗教的で古典主義的な作品を描いています。
この作品は、プッサン初期の作品です。
La Fuite en Égypte (1657)
出エジプトのシーンを描いた作品です。
Pierre de Cortone (1596-1669)
César remet Cléopâtre sur le trône d’Egypte (1637)
バロック初期のイタリア人画家。
作品は、シーザーがクレオパトラを王座に戻すシーンが描かれています。
Guido Cagnacci (1601-1663)
こちらの作品はGoogleのポリシー違反に該当する可能性があるため掲載を控えさせて頂いております。
Lucrèce (1657)
カニャッチは、バロック様式の画家であり、明暗法と官能的な作品を主に制作しています。
Antonio de Pereda (1611-1678)
L’Immaculée Conception (1634)
スペインのバロック画家。
作品は、「無原罪の御宿り」になります。
Nicolas Chaperon (1612-1656)
La Charité de Saint Anne
1642年にローマに滞在したこともあり、イタリアの影響を強く受けています。
Thomas Blanchet (1614-1689)
Le Sacrifice de la fille de Jephté (1670-1680)
Thomas Blanchet は1645年から1653年までローマに滞在し、イタリア古典主義の影響を強く受け、作品は非常にエネルギッシュに制作されています。
Giovan Battista Langetti (1625-1676)
le bon samaritan (1660)
イタリア後期バロック画家。
作品は、「善きサマリア人」がテーマです。
Jean Jouvenet (1644-1717)
Le Repas chez Simon (1706)
宗教画を中心に描いたJouvenet。
彼の多くの作品はルーブル美術館に所蔵されています。
この作品は、聖書に書かれている、サイモン家での食事の場面です。
Les marchands chassés du Temple (1706)
Jean II Restout (1692-1768)
L’exaltation de la croix (1748)
叔父や、父、兄など画家一家の中で育っています。
Giovanni Niccolò Servandoni (1695-1766)
Ruines romaines
画家というよりは、建築家であり、オペラなどのデコレーターとして活躍していた。
マルチな才能を持っていました。
まとめ
前編だけでもかなりの量になりました。
それでも実際の展示されている作品と比べれば、ほんの少しだけのご紹介です。
前編でご紹介している彫刻と絵画は、宗教的な知識があると、作品一つ一つをもっと深く理解出来ると思います。
現地では時間もなくその場で調べる訳にもいかないと思いますので、気になる作品があれば、事前に聖書のどの部分に書かれていることなのか調べておくと良いと思います。
第2回リヨン美術館コレクションは、18世紀~19世紀の作品を中心にご紹介させて頂きます。
皆様ご存知の芸術家が沢山出てきます。
こちらも合わせてご覧になってください。
第3回はこちらでご紹介させて頂いております。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
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