フルヴィエールの丘にある世界遺産、「ノートルダム大聖堂」。
リヨンのノートルダム大聖堂の特徴は、世界でも稀な上下2階建ての構造になっているところです。
上階は、豪華絢爛という言葉がまさにぴったりで、下の階はシンプルで荘厳な感じがします。
全くイメージが違う2つの教会が一つになっているノートルダム大聖堂は、まさにリヨン観光の目玉となる場所です。
それでは早速、ご紹介させて頂きます。
La Basilique Notre Dame de Fourvière フルヴィエール ノートルダム大聖堂
基本情報
La Basilique Notre Dame de Fourvière フルヴィエール ノートルダム大聖堂
住所:8 Place de Fourvière, 69005 Lyon, フランス
営業時間:07:00 ~ 20:00 (ミサ等が行われている場合は入場出来ない場合があります)
所要時間
大聖堂を前にすると、それほど大きさは感じませんが、中に入ると見どころが沢山あるので、意外と時間はかかると思います。
大聖堂は地上階と、地下の2つの構造からなっているために、2つの教会を見学することになります。
また、丘の上から見渡すリヨンの街の景色も一見の価値がありますので、そちらの時間も計算に入れておかなくてはなりません。
大聖堂は少なくとも1時間、丘からの景色に15分、合計1時間15分位は必要になるかと思います。
足早に見れば、すべて含めて1時間で何とか収まるかと思いますが、ゆっくり一つ一つ丁寧に見て行けば1時間半から2時間位必要になる場合もあります。
観光ルートに上手に組み合わせて見学してみてください。
歴史
大聖堂建築前
1168年 Olivier de ChavannesによってFourvièreの丘の上に教会が建てられました。
1562年 Baron des Adretsのプロテスタントの軍隊により、教会は破壊されました。
16世紀末には、教会は再建築されています。
1848年、教会の鐘楼部分に、Joseph-Hugues Fabisch (1812-1886)が黄金の聖母を飾ることを考案します。
1852年に実際に飾られました。
今でも12月8日に行われる「光の祭典」の起源です。
大聖堂建築
1872年に着工が始まり、1896年に完成しました。
その資金は、民間からの寄付で賄われました。
建築家Pierre Bossan (1814-1888)とLouis Sainte-Marie Perrin (1835-1917)によって建てられました。
ロマネスク建築とビザンチン建築により設計されています。
外観
大聖堂全体、周辺は写真のようになっています。
大聖堂の大きさは、長さ86メートル、幅35メートル、高さ48メートル、4つのタワーからなっています。
リヨンの街に面した方にある2つの塔は、la Prudence と Tempérance 。
広場に面した2つの塔は、la Force と la Justice になります。
正面向かって、左に見える塔が、la Force。
右に見えるのが、la Justiceになります。
こちらの塔が、Tempérance になります。
右側の奥にあるのが、LA CHAPELLE DE LA VIERGE(聖母礼拝堂)になります。
写真では少し分かりにくいですが、頂上には、黄金のマリア様が飾られています。
大聖堂の左側には、Tour métallique de Fourvière (1892~1894)が見えます。
パリのエッフェル塔ととても良く似た形をしています。
昔は登ることが出来たようですが、現在は、テレビ等の中継局のみの利用になっています。
大聖堂の前には、pape Jean Paul II (ヨハネ・パウロ二世)の像が建てられています。
実際にこの地を訪れた時に示したポーズをとっています。
リヨンの街方面の大聖堂。
こちらの塔が、la Forceになります。
こちらは、聖ミカエル像になります。
彫刻家、Paul-Émile Millefaut(1848-1907)による作品で、聖ミカエルが竜を退治するシーンです。
上部の教会に入る入り口です。
青銅の扉は、Louis Sainte-Marie-Perrinにより、設計されたものであり、入り口付近は、ノアの箱舟をイメージして作られています。
入り口にあるライオンは、Charles Dufraine(1827-1900)によって作られたものです。
内観
ノートルダム大聖堂の内部はとても特殊で、上下、2つの教会からなっています。
ヨーロッパで沢山の教会を見てきましたが、このスタイルは本当に珍しいです。
上側はとても豪華に作られていますが、下側はどちらかと言うと質素に出来ています。
特に、上側は素材にも非常にこだわりを持って作られていて、カラーラの白い大理石、イタリア北部のピンクの花崗岩、サヴォイの青い大理石、グリーンオニキス、銀と金のかけらなどが使用されています。
上部の教会 La basilique
教会内に入ってまず驚かされるのが、その豪華さです。
豪華絢爛という言葉ぴったりの内部になっています。
Saint-Josephの描かれた天井。
こちらはマリア様が描かれています。
L’Annonciation(受胎告知)
Jeanne d’Arc délivrant Orléans(モザイク画)
les ateliers Martin de Parisによって6枚の壁のモザイクが描かれてます。
le vœu de Louis XIII(ルイ13世の願い)
1632~1638年、ルイ13世は聖母マリア様に跡継ぎが生まれたらフランスを聖母に捧げるという誓いました。
実際にその後、2人の跡継ぎに恵まれています。
la Bataille de Lépante(レパントの戦い)
1571年、オスマン帝国とスペイン、教皇などの連合軍との海戦の様子が描かれています。
連合軍の勝利により、ヨーロッパの歴史に多大な影響を与えました。
l’arrivée de Saint Pothin à Lyon(Saint Pothinの到着)
le Concile d’Ephèse(エフェソス評議会)
l’Immaculée Conception(無原罪の御宿り)
Le Choeur(祭壇)は、1892年、Paul-Émile Millefaut(1848-1907)により製作されました。
マリア様が、アダムとイブの束縛を破り、地獄から救い出すことを示しています。
床も様々な種類の大理石で非常に綺麗に作られています。
精巧な幾何学模様で埋められています。
天井や、壁だけでなく、床も鑑賞して欲しい場所です。
ステンドグラス
Confesseurs (1898)
Martyrs (1898)
Anges (1904)
Patriarches (1921)
下部の教会 LA CRYPTE
la sagess (1898-1900)
上部の教会から、下部の教会に向かう階段に、Charles Dufraine (1827-1900) の彫刻があります。
la sagess (賢者)と名付けられたこの作品は、彼の最後の作品と言われています。
地下に降りる階段の途中にもマリア様の彫刻があります。
下部の教会の出入口です。
Saint Joseph (聖ヨセフ)のために作られた教会です。
上部の教会とは打って変わって、とても静寂な感じがします。
祭壇は、Saint Joseph (聖ヨセフ)に捧げられています。
写真では見えませんが、聖ヨセフ像が置かれている床には、「7つの大罪」が描かれています。
- acedia 無関心
- gula 飽食
- luxuria 暴動
- superbia プライド
- ira 怒り
- invidia 羨望
- avaricia 貪欲
これら「7つの大罪」を足元に描くことによって、聖ヨセフがそれらを支配していることを示しています。
つまり、悪に対する善の勝利の象徴でもあるのです。
4つに分割されている天井は、上部の教会の雰囲気があります。
Notre-Dame de Guadalupe (グアダルーペの聖母)
2014年に飾られました。
グアダルーペの聖母は、1531年に、メキシコ、グアダルーペに現れた聖母のことです。
Notre-Dame de czestochowa (チェンストホバの聖母)
2002年に飾られました。
1832年にエルサレムから運ばれ、、ヤスナ・グラ修道院に安置されています。
Notre dame de Fatima (ファティマの聖母)
1916年、3人の子供の前に、聖母が現れました。
様々なメッセージを伝えたと言われています。
「ファティマ第3の予言」は有名な話です。
The Irish Madonna of Gyor
1697年、聖母は、3時間に渡って、血の涙を流したと言われています。
Notre dame d’Afrique (アフリカの聖母)
1872年、アフリカ、アルジェの大聖堂に奉納されました。
Notre dame du Liban (レバノンの聖母)
1904年に設立された15トンの巨大な銅像です。
Notre dame de la Naval (マニラの聖母)
1646年、オランダ軍に攻められた時に、聖母に祈ることによって勝利を得たと言われています。
Notre dame de velankanni (ベランカニの聖母)
インドのベランカニに表れた聖母。
16世紀に2度現れ、17世紀には、ポルトガル船の船員を救出したと言われています。
フールヴィエールの丘からの景色
大聖堂の脇、フールヴィエールの丘からの景色はとても見ごたえがあります。
リヨンの街を一望出来ますので、ぜひ帰りに立ち寄ってください。
右側からも見えますが、左側からの方がスペースも広く見やすいと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回、紹介する順番が、上部の教会から下部の教会になってしまいましたが、Pierre Bossan の意図としては、下部の教会から上部の教会という順番が正しい見学のルートになるようです。
私自身も上部の教会から見学してしまいましたが、これから訪れる方は、ぜひ下部の教会から上部の教会へと見学されることをお勧めします。
沢山見どころのある大聖堂のため、すべてをお伝えすることは出来ませんが、少しだけでもお伝えすることが出来れば幸いです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
なお、パリからリヨンまでの日帰り旅行については、こちらで詳しくご紹介させて頂いております。
ぜひ、合わせてご覧になってください。
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