今回ご紹介させて頂くのは、オルセー美術館。
パリのみならず、フランスを代表する美術館です。
1848年から1914年までの様々な西洋美術品を展示、所蔵しています。
世界最大の印象派のコレクションが揃う美術館としても有名ですが、オルセー美術館の魅力はそれだけではありません。
今回は美術館の概要から、展示されているコレクションについても詳しくご紹介させて頂きます。
Musée d’Orsay オルセー美術館
基本情報
Musée d’Orsay オルセー美術館
住所:1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris, フランス
営業時間:
火曜日~日曜日 09:30~18:00
木曜日 09:30~21:45
休館日:月曜日、5/1、12/25
入館料
大人:16ユーロ
割引:13ユーロ(EU在住の18歳以下の子供連れの場合)
無料対象:18歳以下など。
毎月第一日曜日は完全無料となります。
※パリ・ミュージアム・パス対象美術館
所要時間
館内は大変広く、展示室も複数あります。
また、大変貴重で有名な作品も驚くほど多く展示されていますので、駆け足であっても2時間は必要かと思います。
一つ一つの作品を鑑賞するなら3~4時間は必要になると思います。
印象派を中心とした近代絵画にご興味のある方は、1日費やす位の余裕があると十分に楽しめると思います。
特徴
歴史
1900年、パリ万国博覧会に合わせて、オルセー駅が建設される。
設計は、建築家Victor Laloux氏によるものです。
博覧会への旅行者や外国の訪問団を迎え入れるのが目的だったため、当時のフランスの様々な技術を取り入れて建設されました。
1939年、最新の設備を導入して建設されたオルセー駅でしたが、ホームの長さが短く、新しい電車の長さに対応できずに、近距離の列車のみの駅となりました。
1945年、戦時中は兵士を各地へ送る駅や捕虜などの収容所として利用されました。
その後は、様々な用途として利用され、最終的にはホテルへ改築することが決定されました。
1971年、一度降りた解体許可が取り消される。
1978年、駅を美術館として再利用することが決定される。
1980年、改装工事が始まる。
1986年、オルセー美術館開館。
2009年~2011年、館内の大きな改装。
出典:オルセー美術館公式サイトより引用
外観
リール通りから見るオルセー美術館。
建設当時の面影がある外観はとても豪華で存在感があります。
駅として利用されていたと聞くと、何となく雰囲気が伝わってきます。
建物の幅は、約75メートル、長さは約180メートルほどあります。
建物内部の高さは約32メートルになります。
左側の人が並んでいる方が一般の入り口になります。
写真ではかなり空いていますが、観光シーズンや時間帯によっては入場するのに1時間以上待つこともあります。
ミュージアムパス等を持っている場合は、右側から入場することも可能です。
(状況によります)
リール通り側に設置されている6つの像が、Les six continents(6つの大陸)1878年になります。
もともとは、1878年の万国博覧会の時に、パレ・トロカデロに設置されたものです。
当初は、金メッキが施されていたそうです。
1878年から1935年まではトロカデロに設置されていましたが、その後1985年まではナントに保管されていました。
1986年の美術館開館の際に、再びパリに戻り、この地に設置されました。
6つの像は6人の彫刻家がそれぞれ製作しています。
タイトル、作者は、写真左側から順に以下になります。
- L’Europe(ヨーロッパ):Alexandre Schoenewerck (1820~1885)
- L’Asie(アジア):Alexandre Falguière (1831~1900)
- L’Afrique(アフリカ):Eugène Delaplanche (1836-1891)
- Amérique Nord(北米):Eugène Hiolle (1834-1886)
- L’Amérique du Sud(南米):Aimé Millet (1819-1891)
- L’Océanie(オセアニア):Mathurin Moreau (1822-1912)
館内マップ
オルセー美術館は1階、2階、6階(日本式)の3フロアに作品が展示されています。
(フランス式だと、0階、1階、5階になります)
展示室は細かく分かれているので、見逃さないように注意して鑑賞してください。
また常設展以外にも企画展を行っているので、事前にチェックしておくことをお勧めします。
館内
館内に入ると中央の通路には沢山の彫刻が展示されています。
訪れる時期にもよりますが、中央通路は沢山の人でいつも溢れています。
天井は建設当時の状態を忠実に復元したバラの彫刻が施されています。
とても細かく丁寧に、これだけの数を作ることはとても大変なのですが、さらに驚くべきことはこのバラの部分に通気口を隠して作られていることです。
すべてのバラに施されているわけではないですが、昔の良さを尊重しつつ、現代の技術を取り入れている所が凄いですね。
館内の入り口上部には、オルセー美術館を代表する大時計があります。
これも昔の駅を思い起させる作品です。
当時のアカデミズムの厳しい基準をクリアするように設計、製作されています。
館内の様々な場所から見ることが出来ますが、2階の通路からが最も近く見ることが出来ます。
オルセー美術館には先ほどの時計も含めて、全部で3か所、時計が設置されています。
残りの二つはセーヌ川沿いの外から眺めるようになっているのですが、5階に上がるとその時計の裏側からセーヌ川沿いの景色を眺めることが出来ます。
昼、夜共に素敵な景色を見ることが出来ますので、ぜひ訪れてみてくださいね。
見どころ コレクション
Sculpture 彫刻
ルクセンブルク美術館のコレクションをもとに、現在では2200点以上の彫刻を所蔵しています。
一部の彫刻についてはこちらで詳しくご紹介させて頂いております。
Arts décoratifs 装飾芸術
家具やガラス製品などの装飾芸術品も展示されています。
展示品についてはこちらで詳しくご紹介させて頂いております。
Peinture 絵画
絵画もルクセンブルク美術館の所蔵品が中心となって収集されました。
印象派の巨匠の作品が有名ですが、当時のサロンに出品されていた、アカデミズムに準じた作品も大変素晴らしいコレクションとなっています。
世界的にも有数のコレクションですので、ぜひ楽しんでください。
展示されている絵画の一部はこちらで詳しくご紹介させて頂いております。
Le café Campana
美術館の5階、印象派コレクションの出口にあるのが、Le café Campana。
ブラジル人デザイナーである、Campana兄弟がデザインしたお店です。
ゆっくり鑑賞するために
オルセー美術館は世界的にも大変有名な美術館であり、世界中から沢山の観光客が訪れます。
そのため、美術館はいつも混雑しており、優先入場券を持っていない場合は、1時間以上並ぶことも珍しくありません。
(優先入場券を持っていても並ぶことがあります。)
せっかく有名作品を見れると思って楽しみに訪れてみたら、あまりに多くの人で、なかなか近くで見ることが出来なかったという話も良く聞きます。
また、オルセー美術館に行きたいけど、混雑しているし、鑑賞するのに余計に時間がかかるのでは、限られた滞在時間を有効に使えないと、訪問を諦めた方もいらっしゃると聞いたりします。
個人的にもパリに来たら絶対に訪れて欲しい観光スポットの一つなので、このような問題を何とかクリアする方法をご紹介させて頂きます。
それは、木曜日に訪れることです。
なぜ、木曜日かと言うと、木曜日だけは営業時間が、夜の9時45分まで延長されているからです。
通常は18時に閉館となってしまうのですが、この日だけは遅くまで営業しています。
旅行会社のツアーなどは通常の閉館時間を基準にスケジュールを組んでいます。
また、一般の方でも18時に閉館すると思っている方も多く見受けられます。
観光で訪れている方は、夕飯に出かけてしまう時間帯です。
そのため、快適に鑑賞するには、夕方5時ごろに訪れて、閉館時間まで鑑賞するのがお勧めです。
このスケジュールであれば、事前にチケットを持っていなくてもほぼ並ぶこともないですし、館内も比較的空いています。
有名な作品も少し待てば、目の前で見ることが出来ますのでお勧めです。
滞在中のスケジュールが合う方は、ぜひ一度この時間帯に訪れてみてくださいね。
まとめ
あえて説明する必要もないと思いますが、オルセー美術館は本当に素晴らしい美術館です。
フランスやヨーロッパ諸国の美術館を多数見学してきましたが、1900年前後の作品の質と量は、他の追随を許さないほど圧倒的です。
美術や絵画に興味のある方であれば、何度でも足を運びたくなる美術館だと思います。
また絵画等にあまり興味のない方でも、教科書等で一度は目にしたことのある作品を実際に見ることが出来ますので、それだけでもかなり楽しめると思います。
そしてそんなことをきっかけに、絵画の世界への興味が湧いてくるかもしれません。
ぜひ限られた滞在の中で、長い時間を確保することは難しいと思いますが、可能な限り余裕を持って、訪れてみてください。
絶対に満足のいく観光になると思います。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
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