今回の記事では、ポンピドゥー・センターの膨大な作品の中からピカソとシャガールを中心にご紹介させて頂きます。
ピカソはブラックと共に、「キュビスム」を世に知らしめた一人です。
「キュビスム」の記事でご紹介させて頂いても良いのですが、時代によって様々なスタイルで描いているため、あえて分類せずにこちらで取り上げています。
シャガールも同様に、無理に分類すればシュルレアリスムや新原始主義などに分類することが出来るかもしれませんが、「愛の画家」と呼ばれるように、愛や結婚をテーマに描いた作品が多いため、こちらで取り上げています。
その他にも沢山の画家をご紹介させて頂いておりますが、どの画家も特定のスタイルに分類するのが難しい画家になります。
- Pablo Picasso (1881-1973)
- Amedeo Modigliani (1884-1920)
- Marc Chagall (1887-1985)
- Jean Lurçat (1892-1966)
- Pierre Klossowski (1905-2001)
- Nicolas Schöffer (1912-92)
- Nicolas de Staël (1914-1955)
- Georges Noël (1924-2010)
- Otto Piene (1928-2014)
- Christo Javacheff (1935-2020)
- Jean-Paul Chambas (1947- )
- Gary Hume (1962- )
- スルソール美術館
- まとめ
Pablo Picasso (1881-1973)
Buste de femme (1907)
アフリカや古代イベリア芸術の影響を強く受けていた時期に描いた作品です。
上から見るのと、下から見るのとで見え方が変わる作品です。
Tête de jeune fille (1913)
コラージュやデッサンなど、様々な技法が取り入れられています。
Portrait de jeune fille (1914)
珍しいグリーンの背景の作品です。
モデルはおそらく、「Eva Gouel」と言われています。
La Liseuse (1920)
妻となる「オルガ・ホクロワ」を描いた作品です。
少し古典的なスタイルで描かれています。
Arlequin (1923)
ピカソの友人、「Joaquin Salvado 」が描かれていますが、衣装はピカソ自身のものが描かれています。
Nature morte à la charlotte (1924)
Femme au chapeau (1935)
La Muse (1935)
2人の女性を描いています。
一人は、鏡に映った自分を描き、もう一人は、テーブルで眠っています。
L’Aubade (1942)
占領中に描かれた作品です。
ピカソは「戦争を描いたわけではないが、当時描いた作品の中に戦争があることは疑いの余地がない」と言っています。
Amedeo Modigliani (1884-1920)
Gaston Modot (1918)
等身大の人物を描くことに焦点を当てていたモディリアーニ。
当時のどのスタイルにも当てはめることが出来ない独自のスタイルで描いていました。
映画俳優「ガストン・モド」を描いた作品です。
Marc Chagall (1887-1985)
La Noce (1911-12)
ロシアでのユダヤ人の結婚式を思い出して描いた作品になります。
シャガールは「結婚」をテーマにした絵を数多く残しています。
Le Marchand de journaux (1914)
ユダヤ人の新聞配達店を描くことで、第一次世界大戦の不幸を描いています。
Le cimetière (1917)
ヴィテブスクのユダヤ人墓地を描いています。
Bella au col blanc (1917)
森の下には、シャガールと娘が、妻のベラはすべてを見下ろすように、大きく、聖母に見立てて描かれています。
ベラが古典的に描かれているのが特徴的です。
Les mariés de la Tour Eiffel (1938-39)
シャガールとその妻を大きな雄鶏に乗っています。
周りにはパリとロシアの思い出が描かれていますが、右下の部分には逆さに描かれた天使が燭台で街を焼こうとしています。
第2次世界対戦を前に、壊れやすい幸福を描いています。
La Chute d’Icare (1947-77)
シャガール87歳の時の作品です。
彼の集大成とも言える作品で、今まで描いてきた人が描かれ、イカロスの落下を眺めています。
Jean Lurçat (1892-1966)
Portrait d’Annie Dalsace (1923)
ジャン・リュルサはフランスの画家、タペストリーデザイナーとして活躍しました。
Pierre Klossowski (1905-2001)
Descente au sous-sol (1978)
バルテュスの兄でもあるピエール・クロソウスキー。
前半生は小説家として活動していましたが、後半生は画家として活動していました。
Nicolas Schöffer (1912-92)
Spatioplastiques 6 (1950)
ハンガリー生まれのアーティストであり、Feedback、Cybernetics理論に基づいて作品を製作していたことで知られています。
Composition spatiodynamique (1948-49)
Spatiodynamique 22 (1954)
(1951)
Nicolas de Staël (1914-1955)
Les Toits (1952)
ロシア出身の画家であるがロシア革命の影響により、活動は主にフランスでした。
セザンヌ、ゴッホ、ブラックやルーベンス、フェルメールなどから影響を受け、多彩な画風で作品を描いていました。
特定のスタイルに属することをひどく嫌っていました。
Georges Noël (1924-2010)
Grand palimpseste jaune (1920)
第2次世界大戦後のフランス抽象絵画を代表する画家、ジョルジュ ノエルになります。
Otto Piene (1928-2014)
La force pure III (1959)
オットー・ピエネは、ドイツ系アメリカ人アーティストになります。
1950年代後半にハインツ・マックと共に、デュッセルドルフでアーティストグループ「ZERO」を設立しました。
Christo Javacheff (1935-2020)
Four Store Fronts Corner, Project (1964-65)
ブルガリアで生まれたChristo Javacheffですが、1950年代パリでモロッコ出身のJeanne-Claude Denat de Guillebon(1935-2009)と出会い結婚します。
その後の活動は「Christo and Jeanne-Claude」としてクレジットされています。
Jean-Paul Chambas (1947- )
Nefertari as Lautrec (1979)
ジャン・ポール・シャンバスはフランスの現代画家になります。
作品はコラージュによってロートレックを描いています。
Gary Hume (1962- )
The Moon (1962)
ゲイリー・ヒュームはイギリスの画家になります。
ステラマッカトニーやマルニなどのブランドとコラボレーションをしています。
スルソール美術館
Cici Tommaseo Sursock (1923-2015)
Portrait of Odile Mazloum (1964)
クロアチア系レバノン人の画家である「Cici」のこの作品は、2020年8月に起きたベイルートの爆発で大きな損傷を受けました。
ポンピドゥー・センターなどが含まれる、国際芸術コミュニティにより、2年半の歳月をかけ修復されました。
2023年の5月に再開されるスルソール美術館に返却されるまで、ポンピドゥー・センターに飾られていました。
Paul Guiragossian (1926-1993)
Untitled (1970)
アルメニア系パレスチナ人の画家、Paul Guiragossianの作品になります。
まとめ
ピカソとシャガールを中心にご紹介させて頂きました。
スタイルの違う二人の画家ですが、面白いことに、実は共通点があるのです。
それは、「フランスに定住した最も有名な画家」の二人なのです。
(ピカソはご存知の通り、スペイン出身であり、シャガールは、ロシア出身の画家になります。)
ただし、ほぼ同時代を生きた二人ですが、積極的な交流はほとんどなかったようです。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
ポンピドゥー・センターの他のコレクションは以下の記事でご紹介させて頂いております。
合わせてご参照ください。
ポンピドゥー・センターにつていの概要は以下の記事で詳しくご紹介させて頂いております。
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