今回ご紹介させて頂くオルセー美術館コレクションは、抽象絵画。
残念ながら、抽象絵画を代表する作品はオルセー美術館にはほとんどないのですが、クプカやピカソ、モンドリアンなど、抽象絵画を代表する画家の作品が展示されているので、こちらの記事を書かせて頂きました。
現代美術へと続く重要な時代なので、ぜひ参考にしてみてください。
抽象芸術とは
一般的な抽象絵画は、1910年頃に始まったと言われています。
創始者と言われているのが、Wassily Kandinsky(ワシリー・カンディンスキー)と今回ご紹介させて頂いているPiet Mondrian(ピート・モンドリアン)になります。
流れとしては、大きく分けると以下の2つがあります。
- ドイツ表現主義(客観的表現を排除する流れ)から、カンディンスキーに繋がる系譜
- キュビスムからオルフィスムへ移行し、クプカなどに繋がる系譜
また1930年代頃からは、ナチスの台頭により、アメリカに移住した画家が増え、アメリカでも抽象化の作品が多く見られるようになりました。
抽象絵画は最終的には、様々な色や、丸や四角、三角などの単純な形になって行きますが、何をもって評価するのかが、とても難しくなります。
画家が自己の内面的なものや自然の本質をどうとらえたかによって、そしてそれを鑑賞する人たちがどのように解釈するのかによって評価が分かれます。
(それを合致させたり、理解して行くのが楽しさなのかもしれません)
この辺りが、一般的に抽象絵画が苦手になってしまう理由ではないでしょうか。
出典:ウィキペディア 抽象絵画 より引用
František Kupka (1871-1957)
Les cheminées (1906)
チェコを代表する画家の一人、クプカ。
印象派やポスト印象派、象徴主義、抽象芸術など様々な時代の流れに影響を受けながらも、本人はどこかに属すのを極端に嫌っていました。
そんな画家を分類するのは申し訳ないのですが、どこかに分類しないと紹介も出来ないので、あえて抽象芸術に分類させて頂きました。
抽象化の中でも、オルフィスムに分類される場合が多いようですが、細分化し過ぎてしまうので、あえて割愛させて頂きます。
ご興味のある方はぜひ調べてみてください。
作品は煙突を描いています。
抽象化は1909年頃から始まるので、まだこの作品は具象的な作品を多く描いていました。
Piet Mondrian (1872-1944)
Meules de foin III (1908)
オランダ人画家であり、ゴッホ、スーラの影響を受けた画家です。
さらに、ブラック、ピカソのキュビスムに多いに影響されましたが、ピカソに酷評されキュビスムを放棄してしまいます。
その後抽象化が進み、The New Plastic in Paintingという独自の理論に到達します。
これは、個別の自然、目に見えるものを描くのではなく、普遍的な自然、美を描くのが芸術だという理論です。
分かりにくい表現ですが、簡単に言うと水平線と垂直線、そして原色のみを利用して描く方法です。
彼の作品を調べてみると一度は目にしたことのある作品が多数あると思います。
(説明もちょっと言葉が足りず不明瞭な部分もあると思いますので、ぜひ色々と調べてみてください。)
Pablo Picasso (1881-1973)
La Buveuse d’absinthe (1901)
世界的に有名な画家、パブロ・ピカソ。
ピカソはスペイン人ですが、活動のほとんどはフランスでした。
作品は、ピカソ初期の頃の作品で、アブサンを飲んている女性を描いています。
このシーンはピカソが好んで描いたテーマで、他にも同様の作品を残しています。
抽象化する前の作品です。
まとめ
いかがでしたか。
今回ご紹介させて頂いた作品は、抽象画とは言えないものになると思います。
どの画家も、この後の作品で抽象化が進んで行きますので、お時間のある方は、ぜひ色々と調べて見てくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
作品の解釈については、オルセー美術館公式ページを参考にさせて頂いております。
お時間のある方は合わせてご覧になってみてください。
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