ポンピドゥー・センター コレクションとして今回ご紹介させて頂くのは、「フォーヴィスム」「キュビスム」「オルフィスム」になります。
「印象派」、「ポスト印象派」の流れを受けて、スタイルの中心はいよいよ抽象画へと向かって行きます。
Fauvisme フォーヴィスム
Georges Rouault (1871-1958)
Parade [détail] (1907-10)
マティスと友人だったルオー。
フォーヴィスムに分類されがちですが、独自のスタイルで描いていた画家です。
この作品は、パステルと水彩を使用することで、アクロバットな動きを表現しています。
Conférencier (1908-10)
講師を悲観的に描いています。
L’Accusé (1908)
法廷を描いています。
Polichinelle (1910)
Clown (1910-13)
1903年頃からサーカスをテーマにした作品に取り組んでいました。
Acrobate (1913)
彫刻のシルエットのような作品です。
L’apprenti ouvrier (1925)
ルオーの自画像になります。
Passion (1929-45)
法廷の様子を描いていますが、宗教的な要素が加わり、中央にキリストを描いています。
L’Accusé (1908)と同じ構図で描かれています。
Le clown blessé (1932)
Albert Marquet (1875-1947)
La plage de Fécamp (1906)
フォーヴィスムの画家になります。
ギュスターヴ・モローの指導を受けています。
マティス、デュフィと友人でもありました。
フォーヴィスムの画家の中でも、穏やかな画風であることが知られています。
Maurice de Vlaminck (1876-1958)
Une rue de Marly-le-Roi (1905-06)
絵画の手法をほとんど独学で身につけたヴラマンク。
ゴッホの影響を強く受けた画家です。
La Cuisine (Intérieur) (1905)
ヴラマンクの寝室からインスピレーションを得た作品です。
Les Coteaux de Rueil (1906)
流れる風景と遠近感、強烈な色彩が特徴的な作品です。
Raoul Dufy (1877-1953)
La Place Saint-Gervais à Falaise (1906)
フォーヴィスムに分類されるデュフィですが、他のフォーヴィスムの画家とは少し違った美しい画風が特徴的です。
Emile Othon Friesz (1879-1949)
Arbres à Honfleur (1906-07)
フォーヴィスムを代表するフランスの画家です。
ル・アーヴル出身の画家で、デュフィ、マティス、マルケの友人でした。
André Derain (1880-1954)
Le Faubourg de Collioure (1905)
フォーヴィスムの中心的役割を果たしたフランスの画家です。
Les Quais de la Tamise (1906-07)
1905年から06年にかけて、渡英した際の作品です。
テムズ川の様子を描いています。
Cubisme キュビスム
Pierre Albert-Birot (1876-1967)
Femme nue dans une salle de bain (1916)
画家というより、詩人、劇作家として有名です。
未来派、キュビスムの影響を受けています。
Fernand Léger (1881-1939)
La Noce (1911-12)
キュビスムの影響を受けた画家として知られていますが、後半生は太い輪郭線を使った独自の画風を形成していきます。
Composition aux deux perroquets (1935-39)
ル・コルビュジエとの出会いが影響していると言われている作品です。
Georges Braque (1882-1963)
L’Estaque (1906)
キュビスムを代表する画家として有名ですが、この作品は、キュビスム的な作品を描く以前のものになります。
マルセイユ近郊の街、レスタックを描いています。
Grand Nu (1907-08)
ブラックが書いた、最初のキュビスムの作品と言われている記念碑的な作品です。
L’Homme à la guitare (1914)
エリック・サティの友人でもあるブラックは、音楽からインスピレーションを受けた作品を多く手掛けています。
Auguste Herbin (1882-1960)
Relief polychrome (1921)
キュビスムの影響を強く受けたオーギュスト・エルバン。
作品は彫刻絵画であり、幾何学模様を上下部で反転させています。
Orphisme オルフィスム
František Kupka (1871-1957)
Plans par couleurs (1910-11)
科学の進歩に興味を持っていたクプカならではの作品です。
クロノ写真やX線にインスピレーションを受けていました。
Plans verticaux I (1912)
フランス国家が取得した最初の抽象的な作品です。
Compliment (1912)
男性と女性の二人が挨拶する様子を描いています。
Ordonnance sur verticales en jaune (1913)
ピアノの鍵盤を思わせる作品で、クプカが音楽に関心があることが伺えます。
Traits noirs enroulés (1911-20)
Lignes animées (1920-23)
天文学からインスピレーションを受けた作品です。
Traits, plans et profondeur I (1920-22)
ソルボンヌ大学で生物学を学んでいたクプカ。
この作品は心臓の血管からインスピレーションを得て描かれた作品になっています。
Traits, plans, espace III (1921-27)
線と円、そして色の使い方で空間を描いています。
1912年頃からクプカが長年取り組んでいるテーマになります。
Le Roman du rose n°1 (1923)
Robert Delaunay (1885-1941)
La Ville de Paris (1910-12)
抽象画を代表する画家の一人でもある、「ロベール・ドローネー」。
キュビスムやカンディンスキーなど様々な画家の影響を受けています。
オルフィスムを代表する画家でもあります。
ソニア・ドローネーの夫になります。
作品は、パリとエッフェル塔と三美神が見事に関連付けられています。
Une fenêtre (1912)
Formes circulaires, Soleil n° 2 (1912-13)
ロベール・ドローネーは、「円」をテーマにした作品を多く手掛けています。
Manège de cochons (1922)
キュビスムから抽象芸術へと、新しいスタイルを描いた作品です。
Le poète Philippe Soupault (1922)
La Tour Eiffel (1926)
ローアングルから描いたエッフェル塔になります。
Sonia Delaunay (1885-1979)
Jeune Finlandaise (1907)
Robert Delaunayの妻でもある、「ソニア・ドローネー」。
オルフィスムの画家になります。
Le Bal Bullier (1913)
サン・ミッシェル通りにあるダンスホールでの様子を描いた作品です。
オルフィスムらしい作品となっています。
まとめ
抽象画の発展に「キュビスム」が与えた影響はもの凄く大きなものです。
ピカソとブラックがキュビスムを世に広めなければ、今日の抽象画は全く違ったものになっていたかも知れません。
(しかし、二人共結局は「キュビスム」を放棄してしまうのですが)
次回は同時期に起こった他国での芸術運動を中心にご紹介させて頂きたいと思います。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
ポンピドゥー・センターの他のコレクションは以下の記事でご紹介させて頂いております。
合わせてご参照ください。
ポンピドゥー・センターにつていの概要は以下の記事で詳しくご紹介させて頂いております。
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