ナンシーの中心部、スタニスラス広場の一角にあるのが、ナンシー美術館。
ナポレオンの命により造られた美術館は、地方都市にある美術館の中でも、最も充実したコレクションを展示していると言われています。
ルーベンスやカラヴァッジョ、印象派、現代美術、そして他では見ることの出来ないドーム兄弟の圧巻のガラス作品のコレクションがあるのもナンシー美術館の魅力です。
それでは早速、ナンシー美術館について詳しくご紹介させて頂きます。
ナンシー美術館 Musée des Beaux-Arts de Nancy
基本情報
Musée des Beaux-Arts de Nancy ナンシー美術館
住所:3 Place Stanislas, 54000 Nancy, フランス
営業時間:水曜日~月曜日 10:00~18:00
定休日:火曜日
入場料

一般価格:7ユーロ
割引価格:4.5ユーロ
割引対象者:12歳~25歳、65歳以上の方、10人以上のグループなど。
オーディオガイド:3ユーロ(身分証明書も必要)
歴史
フランス革命期に貴族や教会から没収された作品がコレクションの中核をなしています。
1801年、ナポレオンの意向により、ルーブル美術館から30点の作品が持ち込まれます。
美術館は18世紀半ばに、スタニスラウス王、ロレーヌ公爵、ポーランド国王のために、建築家Emmanuel Héréが設計したパビリオンが使用されています。
1936年、Jacques と Michel Andréにより、拡張されています。
1999年には2回目の大規模拡張工事が行われ、それまでの2倍の大きさに拡張されました。
所要時間
外観はコンパクトに見えますが、館内は広いです。
展示されている作品も多岐にわたりますので、余裕を持って訪れたい美術館です。
足早に見れば、1時間30分、出来れば2時間位欲しいところです。
宗教画やガラス製品に興味のある方はさらに時間がかかる場合もあります。
外観

スタニスラス広場に佇む建物は、細部に至るまで丁寧に造られていてます。
左右にある門も見どころの一つです。
詳しくはスタニスラス広場についての記事をご参照ください。

館内

館内の造りが美しいのもナンシー美術館の特徴です。
管理もきちんとしているので、清潔で気持ちの良い空間です。
写真はペリスタイルの広間です。

螺旋階段も見どころの一つです。
ジャン・ラムールにより製作された手すりもスタニスラス広場の門とイメージが通じています。

こちらは上階から撮影。
見るのはとても美しいですが、昇り降りは大変です。

展示ルームも広々としています。
また人が少ないので、ゆっくりと鑑賞することが出来るのも魅力です。

作品の展示方法にもこだわりが見られ、きちんと管理されているのが分かります。
他の地方の美術館に比べても綺麗さで言えば、かなり上位に入ると思います。
館内マップ

地上階(日本式1階)のフロアマップです。
左下が入り口で、スタニスラス広場に通じます。
順路は左手の階段を上がって、2階(日本式3階)からになります。

こちらは1階(日本式2階)のフロアマップになります。
17世紀~18世紀が中心になります。
番号10番から12番にはオリエンタルやアジアのコレクションが展示されています。

最上階、2階(日本式3階)のフロアマップになります。
14世紀から16世紀、そしてルーベンスのコレクションが展示されています。

こちらは地下1階のフロアマップになります。
最後に鑑賞することになると思いますが、かなり圧巻の展示量です。
ガラス製品がこれだけ沢山展示されているのも珍しいと思います。
見どころ コレクション
Peter Paul Rubens (1577-1640)

La Transfiguration (1605)
バロック様式に最も影響を与えたと言われているルーベンス。
キリスト教や古典文学に深い造詣があったことが作品からもみて取れると思います。
Michelangelo Merisi da Caravaggio (1571-1610)

L’Annonciation (1607-1610)
近代絵画の基となる作品を生み出したカラヴァッジョ。
L’Annonciation(受胎告知)は彼の後期の作品です。
Claude Gellée dit Le Lorrain (1600?-1682)

Bataille près d’une forteresse (1638)
ロレーヌ出身の画家であり、後世の画家たちに多大な影響を与えた一人です。
ロダンも彼の像を制作しています。
この作品は戦争のワンシーンを描いた作品ですが、家族が敵から逃げて森に隠れようとしている場面を描いています。
他の画家にはない独特の視点で描かれています。
Ferdinand Victor Eugène Delacroix (1798-1863)

La Bataille de Nancy (1831)
ルノワールやゴッホに多大な影響を与えたドラクロワ。
19世紀のロマン主義を代表する画家です。
「ナンシーの戦い」は発表当時、色々と物議をかもした作品です。
Émile Friant (1863-1932)

Toussaint (1888)
自然主義、肖像画家として有名なエミール・フリアン。
Toussaintは墓地のシーンを描いた1枚です。
Daum Frères ドーム兄弟

AugusteとAntoninの兄弟からなる、Daum Frères(ドーム兄弟)の作品群。
ナンシー美術館のその他の膨大なコレクションの一部は、こちらで詳しくご紹介させて頂いております。



まとめ
とにかく見どころが沢山あるナンシー美術館。
ナンシー観光の際は、外せないスポットの一つです。
館内はそれほど広くないのですが、一つ一つ鑑賞していると意外と時間がかかります。
観光ルートに上手く組み合わせて訪れて見てくださいね。
なお、鑑賞の際に注意事項が一つあります。
それは、リュック等の大き目のバックを持っている場合は、背中等に背負うことが出来ないことです。
そのため、前に背負う感じで持っていてください。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
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