「パリの街を歩けば、角ごとにパン屋がある」と言われますが、本当に美味しい一軒に出会うのは、実は至難の業だと思いませんか?
私は10年以上にわたり、パリのブーランジェリーを100軒以上、文字通り足が棒になるまで巡り歩いてきました。コンクール優勝のバゲットから、地元の人しか知らない路地裏のクロワッサンまで、自分の舌で確かめた「本物の味」だけを記録しています。
あまりに数が多すぎて、せっかくの感動を忘れてしまわないように……そんな想いで始めたこのランキング。味の好みは人それぞれですが、私の経験が、あなたの次回のパリ旅を最高の一口で彩るガイドになれば幸いです。
パリのパン屋について
パリの街を歩くと、至る所でパン屋さんを見かけますが、実は看板に書かれた言葉には明確な違いがあります。これを知っておくと、パン選びがさらに楽しくなります。
「ブーランジェリー」と「パティスリー」の違い
パリのパン屋さんは、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
- Boulangerie(ブーランジェリー):パン屋 フランスには「パン法」という法律があり、店内で職人が小麦粉から生地をこね、発酵させ、焼き上げまでを一貫して行うお店でなければ、この名称を掲げることはできません。つまり、この看板がある店は「冷凍生地を使わない、職人こだわりの店」という証です。
- Pâtisserie(パティスリー):ケーキ・菓子屋 タルトやエクレア、マカロンといった生菓子を専門とするお店です。
現在では、「Boulangerie – Pâtisserie」と両方の名前を掲げ、パンもケーキも一級品というお店が主流になっています。今回のランキングでも、この2つのタイプが混ざっていますが、どちらも「粉の扱い」に長けた名店ばかりです。
パンの呼び方と選び方のコツ
フランスのパンは、その材料や食べ方によって呼び方が異なります。
- Baguette Tradition(バゲット・トラディシオン) 普通のバゲットよりも小麦の香りや甘みが強く、外側がよりカリッとしているのが特徴。実は、添加物を使わない製法が法律で厳しく定められた「格上」のバゲットです。迷ったら「トラディシオン」を選ぶのが通の楽しみ方です。
- Viennoiserie(ヴィエノワズリー) クロワッサンやパン・オ・ショコラなど、卵やバター、砂糖を使ったリッチなパンの総称です。これらはフランス人にとって、食事のパンというより「朝食や贅沢な間食」として愛されています。
本ランキングの基準
パンの世界は奥が深く、お店によって「バゲットは最高だけど、クロワッサンは普通」ということも珍しくありません。 そこで本ランキングでは、最もシンプルで技術の差が出る「バゲット」と「クロワッサン」の2つを軸に、実際に足を運んで食べた際の全体的なクオリティと印象で順位をつけさせていただきました。
神セブン
1位 La Maison d’Isabelle ラ・メゾン・ディザベル
住所:47ter Boulevard Saint-Germain, 75005 Paris, フランス
色々なクロワッサンを食べてきましたが、ここのクロワッサンは一味違います。好みもありますが、外はサクッと、中はもっちりとした感じです。メトロでのアクセスも良いので、滞在中に一度は訪れて欲しいパン屋さんです。何度も訪れていますが、常に安定した美味しいパンを提供しています。
2025年クロワッサンコンクール優勝! 王座に返り咲いた、パリで今最も食べるべきクロワッサンです。
2位 Boulangerie Utopie ブーランジェリー ユートピ
住所:20 Rue Jean-Pierre Timbaud, 75011 Paris, フランス
全体的に何を食べても美味しいです。スタッフの対応もとても良いです。テレビチャンピオンにも輝いたことのあるお店です。
2024年バゲットコンクール優勝! 独創性だけでなく、ついにパリの頂点へ。
3位 Yann Couvreur Pâtisserie ヤン・クヴルー
住所:137 Avenue Parmentier, 75010 Paris, フランス
ギャラリーラファイエットの食品館にも入っているので、旅行者でも購入しやすくなりました。
4位 Des Gâteaux et du Pain デ ガトー エ デュ パン
住所:89 Rue du Bac, 75007 Paris, フランス
現代的なパン屋さんです。特にクロワッサンはお勧め。ケーキ類もとても美味しいです。
5位 Stohrer ストレー
住所:51 Rue Montorgueil, 75002 Paris, フランス
1730年創業、パリ最古のパティスリーと言われているストレー。味もさることながら、店内の装飾も一見の価値があります。中心地にありますので、ぜひ訪れて頂きたいお店です。
6位 Les Boulangers de Reuilly レ ブーランジュリー ドゥ ルイイ
住所:54 Bd de Reuilly, 75012 Paris, フランス
2021年バゲットコンクール優勝店です。バゲットだけなく、ヴィエノワズリーも美味しいお店です。
7位 Maison Julien Les Saveurs de Pierre Demours
住所:13 Rue Pierre Demours, 75017 Paris, フランス
高級感があり、味も一流ですが、価格はリーズナブルです。
1区・2区・3区・4区(中心部・マレ・右岸)
パリ観光の拠点。歴史ある名店と最先端のトレンドが混在するエリアです。
- Stohrer (1区) 📍:パリ最古のパン屋。王室御用達の歴史と風格。詳しくはこちら。
- BO&MIE (2区) 📍:SNSでも話題のモダンな店構え。ヴィエノワズリーが絶品。詳しくはこちら。
- Terroirs d’Avenir (2区) 📍:厳選された素材で作る、滋味深いバゲットが評判。詳しくはこちら。
- Pain de Sucre (3区) 📍:パティシエが作る繊細でクリエイティブなパンが揃います。詳しくはこちら。
- Boulangerie Baptiste (2区) 📍:ミシュランシェフが手掛ける、今パリで最も注目すべき新勢力。
5区・6区(サンジェルマン・ラタン地区)
「パン激戦区」として知られる左岸。究極のクロワッサンを求めるならここです。
- La Maison d’Isabelle (5区) 📍:クロワッサンコンクール優勝。バターの香りが異次元です。
- Boulangerie L’Essentiel – Anthony Bosson (5区) 📍:地元民が毎日通う、品質・味ともに安定した名店。詳しくはこちら。
- Le Boulanger de la Tour (5区) 📍:名門レストランの味を支える、品格漂うベーカリー。詳しくはこちら。
- Maison Landemaine Monge (5区) 📍:日本でもおなじみ。パリ本場の「トラディシオン」は必食。詳しくはこちら。
- La Table des écoles (5区) 📍:学生街に佇む、デイリーに使える実力派。詳しくはこちら。
- Boulangerie Guyot (5区) 📍:バゲットコンクール上位の常連。香ばしさが格別です。
- Pierre Hermé (6区) 📍:パンの域を超えた「芸術品」を味わえる場所。詳しくはこちら。
- La parisienne (6区) 📍:バゲット優勝経験あり。サンドイッチも非常に人気。詳しくはこちら。
- Maison Mulot (6区) 📍:お惣菜やケーキも充実。サンジェルマン散策の定番です。詳しくはこちら。
- Bread & Roses (6区) 📍:リュクサンブール公園近くの、上品で洗練された一軒。詳しくはこちら。
- Boulangerie Moderne Rabineau (5区) 📍:伝統を守りつつ、進化し続ける地元密着の人気店。
7区・8区・16区・17区(高級住宅街・凱旋門)
優雅な街並みにふさわしい、洗練された高級店が並びます。
- Des Gâteaux et du Pain (7区) 📍:凛とした美しさ。ケーキもパンも完璧なバランス。詳しくはこちら。
- Maison Julien (17区) 📍:伝統を大切にした、気品あるバゲットが魅力。詳しくはこちら。
- Boulangerie Montgolfière (17区) 📍:サービスの良さと、安定したクオリティにファンが多い。詳しくはこちら。
9区・10区・18区(モンマルトル・北駅周辺)
感度の高い若者やアーティストが集まる、今最も熱いエリアです。
- Yann Couvreur (10区) 📍:キツネのモチーフが目印。モダン・パティスリーの先駆者。詳しくはこちら。
- Du Pain et des Idées (10区) 📍:看板メニュー「ピスタチオのエスカルゴ」はパリの伝説。詳しくはこちら。
- Carton Paris (10区) 📍:北駅利用ならここ。コンクール優勝のクロワッサンは圧巻。詳しくはこちら。
- Liberté (10区) 📍:開放感のあるスタイリッシュな店内で楽しむ、新しいパン。詳しくはこちら。
- Sain Boulangerie (10区) 📍:自家製酵母にこだわり、心と体に優しいパンを提案。詳しくはこちら。
- Le Pain ルトゥルベ (9区) 📍:古き良きパリの製法を現代に蘇らせた職人店。詳しくはこちら。
- MAMICHE (9区) 📍:行列が絶えない、SNSでも大人気のポップなパン屋さん。詳しくはこちら。
- Sébastien Gaudard (9区) 📍:クラシックな美しさを極めた、正統派パティスリー。詳しくはこちら。
- Pain Pain (18区) 📍:モンマルトルの坂道で見つけた、青い看板が目印の宝石箱。詳しくはこちら。
- MAISON LARDEUX(18区) 📍:バゲットの焼き色の美しさは、まさにプロの仕事。
- Le Grenier à Pain ABBESSES (18区) 📍:大統領府御用達の歴史を持つ、間違いのない味。詳しくはこちら。
- Shinya Pain (18区) 📍:日本人の感性とフランスの伝統が融合した話題店。
- Alexine Bakery (18区) 📍:地元の人々に長年愛される、信頼のバゲット。
11区・12区・20区(バスティーユ・ベルヴィル)
職人気質の隠れた名店が多く、パン好きなら必ず訪れたいエリア。
- Boulangerie Utopie (11区) 📍:黒ゴマのバゲットなど、驚きのアイディアと味が共存。詳しくはこちら。
- Aux 2 Anges (11区) 📍:毎日食べたくなる、飽きのこない美味しいパン。詳しくはこちら。
- Chambelland (11区) 📍:米粉を使用したグルテンフリー。モチモチ食感が革命的。詳しくはこちら。
- Dupain (11区) 📍:素材の味を最大限に活かした、シンプルながら贅沢な味。詳しくはこちら。
- Les Boulangers de Reuilly (12区) 📍:バゲットの皮のパリパリ感は、ここでしか味わえません。詳しくはこちら。
- Boulangerie L’abeille (12区) 📍:ハチのマークが愛らしい、温かみのある本格派。詳しくはこちら。
- Boulangerie Perséphone (12区) 📍:センス溢れるラインナップ。通うたびに発見があります。詳しくはこちら。
- Ernest & Valentin (12区) 📍:家族経営のような温かさと、プロの味が両立。詳しくはこちら。
- Boulangerie LEROY MONTI (12区) 📍:2019年バゲット優勝。正統派を極めた一軒。詳しくはこちら。
- Les Copains du Faubourg(12区) 📍:昔ながらの製法を守り、愛され続ける定番。詳しくはこちら。
- Blé Sucré (12区) 📍:ここのマドレーヌとクロワッサンを食べずにパリは語れません。詳しくはこちら。
- Le Petit Grain (20区) 📍:少量生産でこだわり抜いた、職人魂を感じるパン。詳しくはこちら。
- Au levain des Pyrénées (20区) 📍:2023年バゲット優勝店。まさに今行くべき最旬店。
- Boulangerie Au 140 (20区) 📍:コンクール常連。ベルヴィルエリアの誇り。
13区・14区・15区(住宅街・バゲット激戦区)
コンクール優勝店がひしめく穴場エリア。本物のバゲットを探すならここ。
- LAURENT DUCHÊNE (13区/15区) 📍:巨匠MOFが作るパン。繊細で深みのある味わい。詳しくはこちら。
- Maison M’Seddi (13区) 📍:2018年バゲット優勝。大統領も食べた味をその手に。詳しくはこちら。
- Boulangerie Brun (13区) 📍:伝統的なバゲットの完成度が高く、地元客で常に賑わう。詳しくはこちら。
- Lorette Gourmet / Bio (13区) 📍:素材へのこだわりが強く、オーガニック好きにも最適。詳しくはこちら。
- Aux Delices de Glaciere (13区) 📍:バゲットのクオリティが高く、わざわざ行く価値あり。詳しくはこちら。
- La Moulinoise (13区) 📍:地元に根ざした、丁寧な仕事ぶりが光る店。詳しくはこちら。
- Boulangerie de la place (13区) 📍:広場に面した、バゲットコンクール常連の実力店。
- Boulangerie 2M (14区) 📍:バゲットの焼き色、香りともにパーフェクト。詳しくはこちら。
- Le Péché de Gourmandise (14区) 📍:地元ファンに愛される、親しみやすい名店。詳しくはこちら。
- Pascal & Anthony (15区) 📍:斬新なアイディアパンが楽しく、味も超一流。残念ながら閉業となりました。詳しくはこちら。
- Le Moulin de la Croix Nivert (15区) 📍:豊富な種類。いつ行っても新しい味に出会える。詳しくはこちら。
- Frédéric Comyn (15区) 📍:2022年バゲット優勝。現在のパリでトップクラスの味。詳しくはこちら。
- Le Grenier à Pain Italie (13区) 📍:名門グループ。安定したバゲットを楽しめます。詳しくはこちら。
まとめ
パリのパン屋さんは、ただ空腹を満たす場所ではなく、職人のプライドが詰まった「芸術の入り口」です。
今回ご紹介した70軒は、どこを訪れても間違いのない名店ばかり。ですが、一番の贅沢は、ランキングをヒントにしながらも「自分だけのお気に入りの一軒」を見つけるプロセスそのものかもしれません。
焼き立てのバゲットを抱えて、パリの空の下を歩く。そんな至福の時間を、ぜひ楽しんでください。あなたのパン巡りが、素晴らしい出会いに満ちたものになりますように!











コメント
所々、住所が変わっているようです。
Mao 様
大変ありがたいご連絡を頂きありがとうございます。
確認次第、修正しておきます。